口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日はペリクルについてまとめてみました。

ペリクルとは

歯の表面、エナメル質のほぼ全域を覆う、無色透明な有機質の薄い膜。歯垢とは違い、歯磨きをしても数分後には形成されている。ペリクルの生理機能は、1.歯質の物理的保護2.歯質の脱灰を抑制し、再石灰化促進3.歯垢の形成初期での、唾液中微生物の歯面への選択的付着を誘導4.歯垢中の細菌への栄養供給源

(以上Wikipediaより)

歯垢の形成とペリクルについて

ステージ1

エナメル質の表面に唾液由来のペリクルが付着します。

ペリクルは、粘液が高い唾液由来の糖タンパク質(アミノ酸は、グリシン、セリン、グルタミン酸など。たんぱく質はアミラーゼ、リゾチーム、IgAなど)が成分で、厚さは0.1~1μm前後の被膜と言えます。ペリクルには微生物は含まず、粘性が高いので、細菌やた食べカスなどが吸着しやすい性質を持っています。歯磨きをしてペリクルが一旦除去されても数分で除去されてしまうのです。つまり、ペリクルとバイオフィルムは根本的に違うものです。

ステージ2

ペリクルに善玉菌が付着し、歯垢を形成、ペリクルに唾液成分に親和性のある善玉菌(S.sunguinis,S.alivarius,S.oraris,S.mitis,S.gordoniiといったグラム陽性レンサ球菌群や乳酸菌)が付着しコロニーを形成し、増殖して健全な歯垢(プラーク)を形成します。

ここまでの歯垢形成過程で、適切にクリーニング(歯磨き)が行われれば、歯周病などの悪玉菌(後期付着菌)群が定着することなく、口腔内の健康は保たれると考えられます。この間約3カ月で、健全なサイクルを維持するためにも歯科医院でのクリーニングは欠かせないと言えます。

(以上ふかさわ歯科クリニック篠崎より)

 

ホワイトニングによるペリクルの影響

ホワイトニング剤により、歯の表面を保護している膜(ペリクル)が剥がれると、エナメル質にある細いパイプ状の穴からホワイトニング剤が入り、パイプの中の着色を白くしながら象牙質まで浸透します。ホワイトニング後、再び歯の保護膜(ペリクル)ができるまでの12~24時間はきれいになったエナメル質のパイプにカフェインなどの粒子の小さい着色物が入り込みやすいので、色の濃い食品、タバコ、口紅などは避けてください。

(以上デンタルクリニック夏帆より)

 

ペリクルは歯を守る働きがあるのと同時に、着色の原因となる色素や歯の表層の細菌の停滞の原因にもなるので、ある意味ホワイトニングや定期的なクリーニングをすることで、同時にペリクルやバイオフィルムが除去され、歯周病の予防やその他の口腔疾患を予防できる効果があるとのことです。