歯石除去について


みなさんこんにちは^^
歯科衛生士の佐藤です!

今年も残り一ヶ月になりましたね!!✨
朝晩の冷え込みも厳しくなり、モコモコ靴下が手放せないです🧦✨


みなさんも体調はお変わりないでしょうか?


今回は「歯石」についてお話ししていきます!
まずは歯石の出来方です。
細菌の塊である歯垢は、不十分なケアにより歯に付着したまま放置されると、唾液に含まれているリン酸やカルシウムが沈着して石のようになります。この歯垢が硬く変化(石灰化)したものが歯石です。個人差はありますが、歯垢が歯石へと変化するまでには約2週間かかるという報告があります。


そして歯石には「歯肉縁上歯石」と「歯肉縁下歯石」の2種類に分類されます。


私たちが普段目にすることがある歯石は、黄白色をしています。歯の色とも似ているので、まるで歯の一部のようになってしまっていることもあります。でも、この歯石だけでなく、もう一つ「隠れ歯石」とも呼べるような、私たちがあまり目にすることがない歯石が存在するのです。

普段私たちでも気づくことのある歯石は、白っぽい、黄白色をしています。食物中の糖質から作られた歯垢が唾液中のミネラル成分によってかたまってしまったものなので、歯垢と同じような色をしています。


白い歯石がつく場所は、主に歯茎のラインに沿った場所で、歯茎の縁の上側に付着することから「歯肉縁上歯石」と呼ばれています。歯肉炎上歯石が特につきやすい場所は下前歯の裏側や上奥歯の外側(頬側)です。この部分には唾液腺が開口しているので、歯垢が固まりやすいのです。

一方、私たちが普段目にすることのない「隠れ歯石」は、黒い色をしています。なぜ私たちがあまり目にすることがないのか、それは歯周ポケットと呼ばれる歯茎の溝の中に隠れているからです。歯茎のライン(縁)の下に付着することから「歯肉縁下歯石」というように呼ばれています。

歯肉縁下歯石が黒い色をしている理由は、歯周病の歯茎内に生息するP.G菌と呼ばれる歯周病菌の出す色素が黒いからです。また、歯周病の炎症で歯茎から出血する際、血液成分である鉄の色素が付くせいもあると言われています。

歯石の主成分はリン酸カルシウムで、その他の構成物として細菌の死骸やたんぱく質などが挙げられます。歯石自体が悪さをすることはありませんが、歯石の表面は軽石のようにデコボコとしており、細菌が住み着いて繁殖するには絶好の環境です。そのため、歯石が蓄積した状態を放置していると、その上に歯垢がたまりやすくなります。

白い歯石は小さな子供でも付くように、誰にでも付くものです。これは歯磨きを少し怠るとすぐにつきます。でも、黒い歯石は歯周病が進行して歯茎が腫れ、歯茎の歯周ポケットが形成されなければ付くことはありません。そのため、黒い歯石がついている場合は歯周病がある程度進行している証拠だと考えて良いでしょう。

黒い歯石がついているかどうかは、歯科医院で歯周病の検査やレントゲン撮影をすることでわかります。見た目に白い歯石がついていなくても歯茎の溝の中に黒い歯石が溜まっていることはあります。歯石は白いものであれ、黒いものであれ、放置しているとザラザラした表面に歯周病菌がどんどん繁殖し、歯周病を悪化させます。

そのため、定期検診時に歯石がついていないかどうかのチェック受けて、こまめに取り除くことが大事です。


歯石が形成されてしまう原因は、歯垢の除去が不十分であることにあります。
硬い歯石に変化すると除去が困難になってしまいますが、軟らかい歯垢の時点ではセルフケアで除去することが可能です。歯垢が歯石へと変化する前に、歯ブラシやデンタルフロス・歯間ブラシを使ってしっかりと歯垢を除去することが、歯石の沈着予防へとつながります。

歯石ができやすいのは、唾液が分泌される下あごの前歯の内側(舌側)部分や上あごの奥歯の外側(頬側)部分なので歯磨きを行う際にはこれらの箇所を特に意識し、歯石の付着を予防しましょう。

歯石除去を自分で行うという方もいるかもしれませんが、自己流で行うと誤って歯や歯肉を傷めてしまいかねません。
歯石は歯科医院で除去してもらいましょう。


歯科衛生士が、歯に付着した歯垢や歯石を取り除くことを「スケーリング」と言います。
スケーリングでは、手用のハンドスケーラー、あるいは超音波スケーラーと呼ばれる専用の器具を用いて歯石を除去していきます。それぞれ用途や部位によって使い分けられます。


歯根表面に付着した歯石を除去し、汚染された歯根面を滑沢にする処置のことを「ルートプレーニング」と言います。ルートプレーニングは、歯周ポケットに挿入できる専用の器具を用いて行います。 器具が歯肉に触れて痛みを感じたり、歯がしみたりする場合には、局所麻酔をして行います。

スケーリングやルートプレーニング、プラークコントロールなどの歯周基本治療を行った後、歯肉の状態やポケットの深さを測定します。歯周基本治療後も歯周ポケットが深く、歯肉の状態の改善が見られない場合は、歯肉縁下歯石の残存(取り残し)が疑われるため、「フラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)」という外科手術が行われることもあります。
フラップ手術では、歯肉を剥離し歯根を露出させることで歯肉縁下歯石を直接見ることができるので、徹底的に歯石除去を行うことができます。


歯石は一度除去しても繰り返し付着してきます。

日頃からセルフケアには力を入れているという方も、歯の健康チェックもかねて定期的に歯科医院を受診し、歯石除去してもらうことが望ましいです✨🦷