スポーツドリンクとお口の健康の意外な関係

皆さん、こんにちは。
かさはら歯科医院、歯科衛生士の相原です。

5月も下旬になり、日中は汗ばむような暑い日が増えてきましたね🌿
爽やかな五月晴れが心地よい反面、体がまだ暑さに慣れていないこの時期は、熱中症への対策が少しずつ必要になってくる頃でもあります。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
5月は新しい環境での疲れが出やすい時期でもあります。体調管理のために、こまめな水分補給を意識されている方も多いのではないでしょうか。私は、体調を崩さないよう、規則正しい生活と毎日の食事のバランスに気をつけて過ごしています。
さて、熱中症対策やスポーツ時の水分補給の定番といえば、スポーツドリンクやイオン飲料ですよね。
体に良くて水分を効率よく吸収できるイメージがありますが、実はこれらがお口の健康、特に虫歯のリスクに深く関係していることはご存知でしょうか。
今日は、良かれと思って続けている水分補給が、知らぬ間にお口のトラブルを引き起こさないための、正しい知識と対策についてお話しさせていただきます。

『スポーツドリンクに潜む「砂糖」と「酸性度」のふたつのリスク』
スポーツドリンクがお口に与える影響には、大きく分けてふたつの理由があります。
ひとつ目は、含まれている『砂糖の量』です。
スポーツドリンクは、体内に水分や塩分を素早く吸収させるために、ある程度の糖分が含まれています。一般的な500mlのペットボトル1本に、スティックシュガー数本分もの砂糖が含まれていることも珍しくありません。
これを日常生活の中で水代わりに飲んでいると、お口の中は常に虫歯菌の大好物である糖分で満たされてしまうことになります。
ふたつ目は、液体の『酸性度(pH)』です。
ここが非常に重要なポイントなのですが、お口の中は通常、唾液の働きによって中性に保たれています。しかし、歯の表面にあるエナメル質は、お口の中が『pH5.5以下』の酸性になると溶け始めてしまいます。
多くのスポーツドリンクのpHは「3〜4」の強い酸性を示します。そのため、頻繁に口にしていると、虫歯菌がいなくても歯が酸で溶けてしまう『酸蝕歯(さんしょくし)』という状態を招くリスクが高まるのです🦠

『大切なのは「飲むタイミング」と「ダラダラ飲み」の防止』
熱中症を防ぐために、スポーツドリンクを飲むこと自体は決して悪いことではありません。大切なのは、『飲み方』と『タイミング』です。
お口にとって一番危険なのは、デスクワークや勉強をしながら、ペットボトルを横に置いて「ダラダラと少しずつ飲み続ける」ことです💦
お口の中がずっと酸性に傾いたままになり、歯が溶ける時間が長く続いてしまいます。
スポーツドリンクを飲むのは、激しい運動をして大量に汗をかいた時や、体調不良で脱水症状が心配される時など、本当に必要なタイミングに絞るのが理想的です。
普段の日常生活での水分補給や、少し汗をかく程度の軽い外出であれば、お水や麦茶で十分に必要な水分を補うことができます。麦茶はミネラルも含み、お口の中を酸性にしないため、非常に優秀な水分補給の味方です。

『お口を守りながら上手に水分補給をする3つのコツ』
それでも、スポーツや夏のイベントなどでスポーツドリンクを飲む機会はあるかと思います。そんな時に、お口の健康を守るための具体的なコツをご紹介します。

1 『飲んだ後に水でゆすぐ』
スポーツドリンクを飲んだ直後、お水やお茶を一口飲んだり、お口をゆすいだりするだけでも、お口の中に残った糖分や酸を洗い流すことができます。
2 『ストローを活用する』
水分を補給する際、ストローを使って飲むと、液体が直接歯に触れにくくなるため、前歯への酸の影響を減らすことができます。
3 『フッ素塗布で歯を強化する』
酸に負けない強い歯を作るために、歯科医院での定期的なメインテナンスと高濃度フッ素の塗布が効果的です。🦷✨

『最後に』
これから夏に向けて、ますます気温が上がっていきます🌸
健康のために行う熱中症対策だからこそ、お口の健康も守りながら、正しく上手に付き合っていきたいですよね。
「最近、スポーツドリンクを飲むことが増えたかも」「歯の表面が少し白っぽくなってきた気がする」など、気になることがあれば、ぜひ定期検診の際にお気軽にご相談ください。
私たち歯科衛生士が、皆さまのお口の状態をしっかりと拝見し、一人ひとりに合わせた予防のアドバイスをさせていただきます。
スッキリと健康なお口で、これからの暑い季節を元気に乗り切っていきましょう。
皆さまのご来院を、スタッフ一同、心よりお待ちしております。