こんにちは。歯科医師の高橋(寿)です。
5月も終わりを迎え、日中は汗ばむ日が増えてきました。梅雨入りも近づき、季節の変わり目で体調を崩しやすい時期です。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は患者さまからよくいただく質問の一つ、
「歯磨きをすると血が出るのですが、大丈夫でしょうか?」
についてお話しします。
歯磨きで血が出るのはなぜ?
歯磨き中に血が出ると、
「強く磨きすぎたかな?」
「たまたま傷ついただけかな?」
と思われる方も多いかもしれません。
もちろん、一時的に歯ぐきを傷つけて出血することもあります。しかし、何日も繰り返し出血する場合は注意が必要です。
実は、歯磨き時の出血は歯肉炎(しにくえん)や歯周病の初期サインであることが少なくありません。
歯ぐきの中で何が起きているの?
お口の中には多くの細菌が存在しています。
歯磨きが不十分になると、歯と歯ぐきの境目に細菌のかたまりであるプラーク(歯垢)が付着します。
このプラークによって歯ぐきに炎症が起こる状態を歯肉炎といいます。
炎症を起こした歯ぐきは、
- 赤く腫れる
- ブヨブヨする
- 少し触れただけで出血する
といった状態になります。
そのため、歯ブラシが当たっただけでも血が出やすくなるのです。
血が出るから磨かない方がいい?
出血すると、
「痛そうだからその部分は避けよう」
「血が出るから磨かない方がいいのかな」
と思う方もいらっしゃいます。
しかし実際には逆で、炎症の原因となっているプラークをしっかり除去することが大切です。
もちろん、力任せにゴシゴシ磨く必要はありません。
やさしく丁寧に磨きながら、お口の状態に合ったセルフケアを続けることで、炎症が改善し出血も減っていくことが多くあります。
歯周病になるとどうなる?
歯肉炎の段階であれば、適切なケアによって健康な歯ぐきに戻る可能性があります。
しかし炎症が進行すると、歯周病へ移行することがあります。
歯周病は歯を支える骨(歯槽骨)を少しずつ溶かしてしまう病気です。
進行すると、
- 歯ぐきが下がる
- 歯がグラグラする
- 口臭が強くなる
- 最終的には歯を失う
こともあります。
しかも歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれ、自覚症状が少ないまま進行することが特徴です。
そのため、歯磨き時の出血は見逃してはいけない大切なサインなのです。
出血が続く場合は歯科医院へ
歯磨き時の出血が続く場合は、一度歯科医院で検査を受けることをおすすめします。
歯科医院では、
- 歯ぐきの状態の確認
- 歯周ポケットの測定
- 歯石の除去
- 正しい歯磨き方法のアドバイス
などを行うことができます。
ご自身ではしっかり磨いているつもりでも、磨き残しができやすい場所は意外と多いものです。
定期的なクリーニングやメンテナンスを受けることで、むし歯や歯周病の予防にもつながります。
まとめ
歯磨き中の出血は、歯ぐきからの「助けて」というサインかもしれません。
- 歯磨き時に血が出る
- 歯ぐきが腫れている
- 口臭が気になる
このような症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
健康なお口を維持するためには、毎日のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアの両方が大切です。
気になる症状がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。皆さまのお口の健康をサポートできるよう、スタッフ一同お待ちしております。