皆さまこんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の村上卓也です。
本日は歯の神経の検査についてお話しようと思います。歯医者では色々な検査を行いますが、その中の一部をご紹介致しますね。
1.温度診
a.目的
・歯の神経の生死を判定する
・痛みの原因の歯を特定する。
b方法
・冷刺激:冷たい氷を当てて反応あるか検査します
温刺激:加熱した器具やお湯などを使って検査します
これらの検査で何か感じる場合は歯の神経がまだ生きていることを示します。温度診のみで診断をつけることは困難なのですが、冷刺激に過敏に反応する場合は歯の神経の炎症の初期段階、または知覚過敏の場合が多いです。温刺激に敏感に反応する場合は歯の神経に炎症が進んでいる場合が多く見られます。注意点として年齢を重ねるとともに神経への刺激が伝わりにくくなり、反応しにくい場合があるため、他の検査と併用して行います。
2.歯髄電気診
a.目的
・歯の神経の生死を判定する。現在の臨床では信頼度の最も高い検査です。
b.方法
・電気刺激を与えて患者さんが刺激を感じた時の閾値を読む検査です。電気刺激をどんどん強くしていって刺激を感じることができれば歯の神経は生きていると判断します。
・電気刺激を使うため、通電させる必要があります。あらかじめ対極を患者さんに接触させて回路を形成します。患者さんのお口の端にフックをかけて検査する場合が多いです。
c.検査結果の解釈
基本的には信用度の高い検査ですが、反応がないからといって必ずしも歯の神経が死んでいるとは限りません。特に以下のような場合は判別が困難とされています。
・外傷直後
歯の神経がダメージを受けて一時的に無反応になっていることがあります。この場合は経過観察でしばらく様子を見て行くことになります。
・根未完成歯
歯の根っこが未完成な状態だと刺激を感じにくくなっています。
・高齢者
年齢とともに歯に硬い組織がどんどん付与されて行くので感覚閾値が上昇して電気刺激を感じにくくなっていきます。
d.注意点
・金属の被せ物の付いている歯には使用することができません。
・神経の病気の広がりは鑑別できません。
・刺激に過敏になっている時は、神経の炎症の初期段階の可能性があります。
・ペースメーカーを使用している患者さんには使用できません。
3.切削診
a.目的
・歯の神経の生死を判断します。
b.方法と検査結果の解釈
・麻酔をせずに歯を削って、痛みを感じることができれば歯の神経が生きていると判断します。
・歯の表面のエナメル質の奥にある象牙質という組織に達するまで削ります。
c.注意点
・歯は削ってしまうと元に戻らないため、電気診や温度診で反応がなかったが、歯の神経が生きている可能性が完全には否定できない場合にのみ最終手段として用います。
今回は歯の神経の検査についてでした。神経の生死を判断するにも複数の検査を用いて色々な角度から探っていき確実な診断が下せるようになっております。
