外傷歯の検査

みなさん、こんにちは! 

かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

春の暖かさが感じられる頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

前回、外傷歯についてお話をさせていただきました。

本日は、その続きで外傷歯の検査についてお話をいたします。

 

外傷歯の検査項目は以下の通りです。

・視診

・咬合の確認

・動揺度検査

・触診

・打診

・歯髄検査

・X線検査

視診では患歯の破損の状態や歯冠の変色、位置のずれなどを確認します。

咬合の確認で異常があれば歯の移動や歯槽骨の骨折などが疑われます。

動揺度検査では、脱臼の程度や固定の必要性などの評価を行います。

触診では、軟組織に異物が混入していないか確認を行います。

打診は歯周組織の損傷を確認するための重要な検査になります。

歯髄検査では、温度試験と電気歯髄診により歯髄の状態を確認します。

X線検査ではデンタルX線やパノラマX線、CBCTを必要に応じて撮影します。特にCBCTから得られる情報は多いの昨今、撮影されることが多いです。

 

ここで外傷歯の歯髄検査への反応について少し掘り下げて考えてみます。

外傷歯の歯髄検査についての研究を1つ紹介いたします。

この研究では、上顎前歯に48時間以内に外傷を生じた17名が対象で、露髄を伴わないエナメル質象牙質破折が10歯、震盪6歯、亜脱臼1歯、全て根未完成永久歯です。年齢は15から26歳、最初に電気歯髄診、次にパルスオキシメーターの検査を各検査の間に30分のタイムラグをおいてコールドテストを行っています。亜脱臼損傷の症例は6ヶ月後でも温熱診および電気歯髄診に反応を示しませんでしたが、パルスオキシメーターは検査期間を通じて正常な反応を示しました。このことから、外傷を受けた歯の神経線維の知覚麻痺は受傷後時間が経過するにつれて正常な反応に戻ることが多いということを示しています。(※1)

外傷歯の歯髄の反応については、外傷直後と時間が経ってからで変化する場合があることを十分に頭に入れておくべきだと言えます。神経が死んでいると思われても実は時間が経つと正常な反応を示すこともあるので注意が必要です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

花冷えの折、くれぐれもご自愛ください。

 

<参考文献>

※1 Comparison of Electrical, Thermal, and Pulse Oximetry Methods for Assessing Pulp Vitality in Recently Traumatized Teeth. J Endod. 2007; 33: 531–5.