こんにちは!歯科医師の山岸です!🦷
今回は、貧血のひとつである巨赤芽球性貧血について追記していきます。
◯前回のまとめ
巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12や葉酸が不足することで生じる大球性貧血で、なかでも自己
免疫疾患によるものを悪性貧血といいます。
ビタミンB12や葉酸が欠乏すると無効造血をきたし、骨髄内で赤芽球などの芽球が正常な血球に
分化できず、血液中に出る前に骨髄内で破壊され、正常な赤血球がつくられなくなります。
〇検査所見
汎血球、網赤血球、血清ビタミンB12の減少があります。
*網赤血球
幼若な赤血球のことです。
巨赤芽球性貧血では赤芽球が正常に発育しないことに加え無効造血のため、網赤血球は減少しま
す。
溶血性貧血や鉄欠乏性貧血では増加します。
〇合併症として以下のものが挙げられます。
・胃癌
慢性的な胃粘膜の萎縮が胃がんの発生リスクを高めます。
・橋本病(慢性甲状腺炎)
自身の免疫が甲状腺を誤って攻撃し、慢性的な炎症を起こす自己免疫疾患です。
甲状腺機能低下症(疲れ、寒がり、体重増加、むくみ)を引き起こします。
主な治療としては、不足したホルモンを補う内服薬(チラーヂン)の服用があります。
・Addison病
副腎皮質が破壊され、コルチゾールやアルドステロンなどのホルモンが慢性的に不足する指定難
病です。
全身倦怠感、低血圧、皮膚や口の粘膜の褐色色素沈着が特徴的です。
他の自己免疫性内分泌異常(自己免疫化生性萎縮性胃炎など)を合併することがあります。
〇治療
・補充療法(ビタミンB12筋肉注射)があります。
消化管からのビタミンB12吸収が低下している場合、吸収しにくいため、経口投与は適さないで
す。
・葉酸欠乏の場合は葉酸製剤の内服で対応できることがほとんどです。
葉酸の補充の前には,必ずビタミンB12欠乏症を除外する必要があります。
神経の働きを正常に保つ役割も担うビタミンB12が不足している状態で葉酸だけを大量に摂取す
ると、B12欠乏の徴候が隠されてしまい、神経障害が進行する可能性があります。
〇歯科治療上の注意点
・巨赤芽球性貧血そのものが歯科治療の支障となることはほとんどありませんが、汎血球減少の程
度によっては血小板減少による止血困難などが見られる場合もあるため、血液検査の結果をふま
えて観血的治療の可否を検討する必要があります。
・舌乳頭萎縮の影響で平滑舌や味覚障害を生じる場合があるため、味覚障害を伴う他の原因との鑑
別が必要となることもあります。
