舌の清掃について

こんにちは。歯科医師の齋藤(眞)です。

本日のテーマは、舌の清掃についてです。

みなさん、歯磨きをする時に舌を見てみることはありますか?舌の上が白くなっていることはないでしょうか?

実はそれは舌苔(ぜったい)と呼ばれるものです。舌の表面に苔のように付着していることから、このように呼ばれます。舌の上は舌乳頭と呼ばれる多くの突起物から成り立っており、その間に多くの溝が形成されます。その溝に口の中の粘膜の外側から剝がれた上皮細胞、細菌、唾液の中のタンパク質、食物などが付着することによって白く見えるようになります。口の中の唾液によって自浄作用が働きますが、年を取るにしたがって唾液腺は萎縮し、唾液の量はどんどん少なくなっていきます。歯や歯ぐきと接することで自浄作用が強くはたらく舌の先よりも奥の方に多く付着しています。

さらに、舌苔は口臭の原因となっています。舌苔に含まれる細菌は、タンパク質やアミノ酸を代謝し、アンモニアを産生します。他にも揮発性硫黄酸化物、アミン類、インドールなどの口臭の原因となる物質を産生します。

また、舌苔を放置すると、誤嚥性肺炎のリスクにもつながることが指摘されています。舌苔の中に含まれる細菌が就寝中の誤嚥によって気管に入り、肺炎になる可能性があるのです。

そのため、普段の歯ブラシに加えて、舌の清掃を定期的に実施することが求められています。

まずは舌ブラシを用意しましょう。普段の歯磨きで使っている歯ブラシは、歯を磨くために毛先が固めに作られています。そのため、歯ブラシを使って舌を磨くと、柔らかい組織である舌を傷つけてしまう可能性があります。そのため、舌を磨く専用の清掃器具である舌ブラシを使うことが推奨されます。

舌を傷つけないために1日1回程度、朝食後、歯磨きの前に行うことが推奨されています。

①鏡を見ながら口を開けます。

②舌を口の外に出します。

③舌の奥側にブラシを当てて下さい。

④舌の奥側から前に舌ブラシを動かします。これを2~3回繰り返してください。

⑤歯磨きを行ってください。歯磨きを最初にすると、かえって口臭が強くなることもあります。

舌ブラシを動かす際は、必ず後ろから前に行ってください。前からブラシを当ててしまうと、嘔吐反射が起こりやすくなってしまいます。

いかがでしたでしょうか?春は新生活が始まってなかなか時間の取れない方も多くいらっしゃると思いますが、毎日の歯磨きの前に、少し舌をチェックしてみてもよいかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。