口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日のテーマは、咬合力による影響についてです。

 

咬合力とは

噛む力のこと。人それぞれに力の強さが違うので、影響する症状も多様であると思われます。

 

咬合力が弱い場合

咀嚼する効率が低下しているため、ご高齢の方などは、食事の時間が長くなったり、食が細くなったり、口腔機能低下により誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高くなるようです。小児の場合は口腔機能の低下により、将来的な歯並びや咀嚼効率の低下や、発音の問題や、顎の発育の問題などを引き起こす可能性があるとも言われています。

改善方法としては、あいうべ体操などの口周りや咀嚼嚥下に関連する筋肉などを継続的に鍛える体操をすると、効果があると言われています。

 

咬合力が影響すること

加齢に伴い、咬合力などの影響で歯並びが変化することもあります。

例えば第二大臼歯と第一大臼歯との隙間が開いてくる。前歯の歯並びが開いて歯の隙間が開いてくる。それと同時に前歯の傾きが前突ぎみになる。などです。

それは睡眠時におこなっている無意識下での歯ぎしりやくいしばりなどが影響しているとも言われています。それは歯周病の進行とともに顕著な変化として現れるようです。対症療法としては、夜寝ている間に装着するマウスピースを製作し、それを継続して使用していただくことです。継続していないと、歯が位置移動しやすくなる傾向があるようです。

 

咬合力が過度に影響している場合

硬いものの食事や、スポーツ時や力仕事など、強い食いしばりにより、歯が割れたり欠けたりすることがあります。

抜歯が必要なほど、歯根まで破折しているような症例では、まれに生活歯のむし歯が進行しているために歯根まで破折する場合もありますが、特に多いのが失活している歯の歯根破折です。

なぜなら生活歯は歯の中の神経が生きているので、例えば食事中に硬いものを思い切って噛んで、歯の中の神経が危険な痛みを感じたらそこで「これ以上強く噛んだら歯が危ない。」とストップする反応が無意識に働くからです。

逆に失活歯は神経がありません。ある意味、神経というセンサーがないので歯にとって危険な硬さのものであっても大丈夫と感じてしまい、歯の破折につながりやすくなってしまうのです。

特に歯の破折で多いのが前歯の失活歯です。ブラキシズムで破折することもあるのですが、ほとんどの場合はフランスパンを嚙みちぎった後にとか、飴をガリガリ噛んだ後にとか、乾きものを噛んだ後にとか、硬いものをいただいた後で破折の症状(腫れや痛み)がでることが多いようです。

そうならないように、できるだけ前歯の失活歯の部分で硬い食べ物を強く噛まないように日常的に気をつけていただければと思っております。