口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日のテーマは初期う蝕についてです。

初期う蝕とは

歯の表面組織のエナメル質に限局した軽度な歯質脱灰が認められるむし歯のこと。

むし歯の進行度としては、C0(歯質表層の軽度な脱灰のみ)C1(エナメル質に留まっている軽度なう蝕)レベルとされ、治療としてはフッ化物塗布などが選択されることが多く、定期検診にて定期的な進行度のチェックが必要とされています。

所見としましては、歯の表層にみられる白濁した斑点や、褐色の着色、黒点や歯の内面からの僅かな変色などです。

 

初期う蝕と類似所見を呈すもの

エナメル質形成不全

歯の形成期に何らかの原因によりエナメル質が形成不全をおこす疾患のこと。

歯の表面が茶褐色の縞模様を呈し、所見がう蝕と類似しているため、学校などでおこなわれる歯科検診時などでう蝕として診断されることが多いようです。

エナメル質形成不全は歯の表層組織が脆いため、う蝕予防としてフッ素の継続的な塗布や、シーラントをしなかったような場合は、他の歯と比べてう蝕が進行しやすくなると言われています。

歯の着色

歯の着色の主な原因としては、習慣的な飲食物の影響や喫煙やブラッシングなどの生活習慣、その他口腔内の常在菌による影響によるものがなどがあります。

そのような場合は歯科医院でのクリーニングや歯面研磨などで、歯の表面の着色を除去できることもあります。

 

コンポジットレジンの変色

コンポジットレジンとは、光硬化型の白い詰め物のことです。

この素材は経年劣化することで、変色や収縮、詰め物周囲の細かい破折などが原因となり、初期では詰め物周囲の着色から始まって、最終的には材料自体が茶色くなったり黒ずんできたりするので、既に治療済みの歯なのですが、その所見からう蝕に見えたりすることがあります。

そのような場合は、表面を研磨してみて着色除去ができないのであれば材料自体の詰め直しになることもあります。

 

歯の再石灰化について

唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンなどが歯の脆くなった表層エナメル質の結晶に浸透して再石灰化するというものです。

それとブラッシングを適切におこなえている方に限るのですが、そんな方の初期う蝕が進行しにくいと言われているのは、唾液による働きが大きいようです。

 

フッ素塗布の効果について

フッ化物塗布の効果として歯の再石灰化を促す作用や、その後の歯質強化作用と、むし歯菌に対しての抗菌作用があると言われています。