口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日の内容は嘔吐反射についてです。

嘔吐反射

別名 絞扼反射とも呼ばれ、口腔内に入ったものに嘔吐をもよおす反射のことを言います。

主に歯科治療時や、極度の緊張時に伴いやすい反応です。

 

様々な原因

 

心理的要素

歯科の苦手意識やトラウマなど、心理的要素が影響しやすいようです。

緊張状態だと唾液も交感神経優位になるので、粘液質の唾液となり、喉の奥に溜まると嘔吐反射が誘発されやすくなるようです。

口呼吸

鼻呼吸ができない状況だと、口腔内が乾燥して喉の乾燥もおこりやすくなるので、嘔吐反射やむせが引き起こされやすくなるようです。

防御反応

異物が口腔内に入るのを防ぐ生理的な反応。味や食感が苦手な飲食物で反射的に反応が起こりやすくなります。幼少期のお子さんなどは、フッ素や歯磨き粉の味が苦手な方も多いようです。

トリガーポイント

口腔粘膜を刺激すると、嘔吐が現れるポイントがあり、主な部位は舌根部、軟口蓋、咽頭後壁、口蓋垂、扁桃などです。

 

嘔吐反射が強い場合

歯科診療で嘔吐反射が強いお子さんは、まずはトレーニングから開始します。歯科治療が初めてで、極度に緊張や不安が強い場合が多いので、リラックスした状態になるように、最初はフッ素塗布などから進めていくようになります。

嘔吐反射が強い成人の方などは、花粉症などで鼻呼吸ができないことで、口腔内に水が溜められないこともあるので、嘔吐反射が出やすくなることもあります。

それとご高齢の方などは、歯科治療時に開口を維持する筋力が低下していると、頻繁に口を閉じたくなったり、それと同時に嘔吐反射も出やすくなるようです。そのような場合は、少しユニットを起こし、細いバキュームなどでこまめに水を吸い取り、時々顎を休ませながらの診療になります。

またはメンタルの不調で、不安が強い場合は歯科治療時に笑気などの鎮静法を併用することで、嘔吐反射を抑制することもあります。

 

嘔吐反射が低下する原因

加齢による影響

口腔機能低下により、誤嚥性肺炎が引き起こされる可能性があります。

既往症による影響

脳卒中、認知症、脳梗塞、パーキンソン病などの原因によるものや、糖尿病などの末梢神経障害などがあります。

服薬の影響

鎮痛剤、抗うつ剤、抗がん剤などの薬の影響など。

栄養状態

脱水、栄養不足、糖尿病のコントロール不足などにより影響が出やすいようです。

その他

精神状態や闘病中の体調変化などの影響があるようです。