こんにちは
小児歯科専門医の中村 友昭です。
さて、今回は前回のお口ポカンの続きについてお話ししたいと思います。
前回もお話しさせていただきましたが、
口には食べる・飲み込む・話す・呼吸する・表情を作るという役割があります。生涯、健康で豊かな生活を送るためには口の役割(口腔機能)は大事です。口腔機能は自然にできることもありますが、学習しないと身につかないこともあります。
当院では正しい食べ方・飲み込み方・呼吸の仕方についてサポートをしています。
基本的なポイントについて前編で3つ、後編で3つご紹介します。
4.舌の位置と動きは重要
口を閉じた時に舌はどの位置にありますか?舌が上あごについている状態が正しい位置と言われています。リラックスしている時、口は閉じ、鼻で息をしていて、舌が上あごについているのを感じますか?口をポカンと開けていると、舌は上あごから離れてしまい下に落ちてしまいます。
小学生になってからも「食べ物を口に入れる時」「かんでいる時」「飲み込む時」や「さ行、た行を言うとき」に舌が出る癖があると、歯並びや発音に影響が出ることがあります。このような舌を出す癖が成長とともになくならない場合は、専用の舌の訓練が必要になるかもしれません。日頃から舌を自由自在に動かせるように、舌は上あごにつけておくようにしておきましょう。
【舌のトレーニング】
・舌回し(舌で頬の内側〜歯茎の一番深いところをぐるりとなぞる)
・ポッピング(舌全体を上あごに吸い上げてポンッと音を立てる)
5.口周りの筋力をつけよう
TVを見ている時、何かに集中している時などに「お口ぽかん」になっていませんか?口を開けているお子さんは、約3割という調査報告があります。普段の生活で口を開けていると、口を閉じる筋力が弱くなって、食べる時にクチャクチャ音がしたり、口呼吸や、発音がはっきりしなくなることがあります。口周りの筋力を積極的によく動かすことが大事です。エアーうがい、ブクブクうがいを生活に取り入れて、日頃からお口周りの筋肉をたくさん使う習慣を身につけましょう。
【口まわりのトレーニング】
・エアーうがい
くちびるをしっかり閉じて、空気を上下左右の頬に入れて膨らませる。お水を入れてうがいはまだ難しいお子さんや、ブクブクうがいのウォーミングアップとして、筋肉の使い方を学習しておくと、うがいがスムーズにできるようになります。
・ブクブクうがい
- コップの水を口に含みます。
- 水が出ないようにしっかり口を閉じてブクブクします(左右同時、左右交互)
- 口を細くしてそーっと吐き出します。
6.正しくかんで飲み込む
かむことは、食べ物を細かくするだけではありません。十分にかむと消化にもよく、窒息や誤嚥の防止になります。また、美味しく味わうことは心の栄養に繋がります。気を付けないとあまりかまなくても済む食事になりがちです。食事を工夫したり、ガムかみトレーニングを取り入れて、かむ生活を見直しましょう。
また、かむことが大切だからといって固いものを食べれば良いわけではありません。大人と子供では歯の形や数も筋力も違います。その子が指で潰せる硬さ、スプーンで切れる硬さがその子にあった食べ物の性状です。硬すぎるものを与えると食欲のない子は吐き出し、食欲のある子、怒られたくない子は丸のみをして、間違った食べ方を身につけてしまう危険があります。適切な一口量と食材の硬さにも気を付けましょう。
【かむためのトレーニング】
・ガムかみトレーニング
- 正しい姿勢でかむ
- 口を閉じて、左右の奥歯、前歯で一か所20回くらいかむ
- 唾液が出てきたら、口を閉じて奥歯をかんで舌を上あごに押し付けるようにして飲み込む
- ガムがしっかりかめるようになったら、舌でガムを丸める練習をしましょう。丸めたガムを舌の先に置いてガムが上あごにつくように、舌を押し付けながら唾液を飲み込みます。
・正しくかんで飲み込むトレーニング
- 正しい姿勢で、口を閉じて食べることができる適切な一口量をかんで飲み込む練習をしましょう。
- よくかむと食べ物が唾液と混ざり飲み込みやすくなります。飲み物は口の中の食べ物がなくなってから飲みましょう。食べ物によりますが「一口30回以上かむこと」を目標にしましょう。
ここまで前編では、
1.普段の姿勢が大切
2.食事の時の姿勢も大切
3.正しい呼吸の仕方
後編では、
4.舌の位置と動きは重要
5.口周りの筋肉をつけよう
6.正しくかんで飲み込む
についてお話しさせていただきました。
今まで各ステップに分けて学んできた口腔機能ですが、継続することで自分のものになっていきます。日々の生活の中で、少しの時間でも練習を続けてください。口腔機能の改善は歯並びを改善することが目的ではありません。
歯並びの改善には矯正治療(保険外)が必要になります。
歯並びが気になり矯正治療を希望される方はスタッフまでお声がけください。口腔機能の改善により、少しでも子どもたちが健康となることを願っています。