こんにちは!歯科衛生士の田口です🦷
6月に入り、本格的な暑さと湿気が本気を出してきているように感じます🌞/🌧️
体の重さやだるさ、冷えなど、湿気による不調を引き起こしやすい時期です。自分の活動量にあった水分摂取量でないと、処理できずに冷えやむくみに繋がることもあるそうです。
胃腸は湿気に弱く、梅雨どきは食欲不振や消化不良などお腹のトラブル(軟便など)を起こしやすくなります。生ものや冷たいもの、甘いもの、油っこいものはさらに負担をかけますので、控えめ…が快適に過ごせそうです🍃

今回お話する「女性ホルモン」は
多すぎても少なすぎても様々な影響が出ます。
女性は生涯、女性ホルモンである[エストロゲン]と[プロゲステロン]のバランスの変化が起こり、その影響で精神的・身体的にさまざまな症状があらわれます。
それは歯や歯肉に対しても起こり、
生理前になると歯が痛い、歯ぐきが腫れる、違和感があるといった症状は、女性ホルモンの働きが影響している場合があります。
歯周病菌の中には、エストロゲンをエサとして増殖する歯周病菌(プレボテラ・インターメディア)が存在します。
生理前や妊娠中は、エストロゲンの分泌量が増えるため、歯周病菌が繁殖しやすくなるのです。普段は免疫によって歯周病菌の働きを抑えられていますが、生理前に起こるさまざまな症状が、ストレスや疲労に繋がることによって免疫力が落ち、歯肉が腫れてしまうこともあります。
[エストロゲン(卵胞ホルモン)]は、骨密度の維持や歯周組織の健康を保つ役割があります。
[プロゲステロン(黄体ホルモン)]は、歯肉の血管透過性を高め、炎症反応を強める作用があります。
これらのホルモンが、歯肉の血流や免疫反応に影響を与え、歯周病菌に対する反応性が変化します。
生理前になると、子宮を収縮させる”プロスタグランジン”という物質もたくさん分泌されます。痛みを誘発するため、下腹部痛を起こしたり、普段は痛まないような小さなむし歯も症状が出ることがあります。
【思春期】
女性ホルモンが作られ始める思春期は、歯ぐきの腫れや出血などの症状が出やすくなります。
加えて生活習慣の乱れや受験ストレスなども影響します。
(思春期性歯肉炎)
【妊娠中】
女性ホルモンが大量に分泌される妊娠中。(妊娠終期には月経時の10~30倍)ホルモンバランスの変化に伴い、妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなります。
歯肉からの出血や発赤が顕著に現れる場合もあれば、妊娠中全ての方に起こる訳ではありません。臨床的な体感として、清潔に管理された口腔内では起こらないか、起こっても軽度で済むことが多い印象です。フロス等を使い、妊娠中は特に気をつけてプラークコントロールを行いましょう。しかし、つわりで充分に磨けない期間もあるかもしれません。腫れや出血を放置すると、出産後に歯周病に移行したり、母子感染のリスクも高まりますので注意が必要です。
体調の安定している時期に、必要なむし歯治療や、歯のクリーニングやチェックを受けられることをお勧めします。
まれに妊娠性エプーリス(良性腫瘍)という腫れが現れることもあります。
【更年期】
更年期になると、エストロゲンの減少から骨密度の減少が発生しやすくなります。歯を支えている歯槽骨を溶かすインターロイキン1、炎症に関わるプロスタグランジン、免疫細胞である白血球のT細胞B細胞も多く作られ、歯周病が進行しやすくなります。また、唾液量が減少し、お口が乾きやすくなることも細菌の増殖を促します。
歯周病がなくてもエストロゲンの減少によって、炎症性サイトカインが多く生産されることから、容易に歯周病を発症させるリスクがあります。
【老年期】
唾液量の減少で、お口の中は細菌が繁殖しやすい環境になり、嚥下機能の低下した高齢の方で誤嚥性肺炎のリスクが上がります。
(服薬数が多いほど、口腔乾燥リスクあり)
いつまでも楽しい食生活を送るために、出来る限りセルフケアで口腔内細菌を取り除き、定期的なチェックとメインテナンスを受けられることをおすすめします。
『骨粗鬆症』は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。そして、その約90%が女性です。
中でも、閉経後の卵巣機能の低下により、骨代謝にかかわるホルモンのエストロゲン分泌の低下により発症します。また、歯周ポケット内では、炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。
多くの研究で、骨粗鬆症と歯の喪失とは関連性があると報告されています。したがって閉経後の女性は、リスクが高まります。
骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP剤)は、使用中の抜歯等により顎骨壊死のトラブルが報告されており、注意が必要です。
その他、
抗がん薬治療(タモキシフェンなど)により,女性ホルモンの分泌量を抑制。好中球の減少、感染に対する抵抗力が低下することで、歯周病リスクがあがることもあります。メインテナンスは、状態をみながら管理しやすい期間を提案しています。
このように、ホルモンバランスが変化するライフステージ(思春期、妊娠、更年期、老年期、月経周期)において、歯周病リスクが高まることがイメージできたでしょうか。
状態に合わせた適切な口腔ケアと、定期的な歯科受診が、健康な歯と歯肉、そして身体のバランスを保つキーポイントです🔑
変化に応じて、自分の身体のケアをしていきましょう👩