こどもの歯科治療の際に心がけていること

こんにちは、小児歯科専門医の中村です。

先日イオンモール新利府で行われた【どこでもジャンボリー!】のイベント🎤🕺へ家族と参加してきました!
この【どこでもジャンボリー!】さんは、YouTubeで子供向けの歌🎵などを配信している登録者19万人のYouTubeチャンネルで、仙台の企業が運営しているそうです。
イベントではステージ前に2〜6歳ぐらいの子供たちが大勢集まってみんないっしょに歌って踊ってとても楽しいイベントでした。
また今度機会があれば参加したいなと思います。


さて、本題を始めましょう。
大人も歯科治療って憂鬱ですよね😔
口の中にものが入ってくることは、本能的に誰にとっても嫌なことです。
これは子供達も一緒です。
不安な気持ちいっぱい抱えながら診察台に座ってくれている子供達に対して、少しでも緊張を和らげるように私自身は次のことを心がけています。

①コミュニケーション
 診察前には「今、何歳だっけ?」と話しかけ、受け答えをみながら緊張度を確認し、好きなキャラクター、クリスマス🎄や夏休み🏄などの行事、部活などについて話しています。
 小児歯科を専攻し始めた頃は、子供たちが好きなキャラクターがわからなかったので、患者さんから色々と教えてもらって一生懸命勉強しました。患者さんから図鑑📕貸すから覚えてきてねと宿題をもらったこともあります。
アンパンマン、パウパトロール、プリキュア、プリンセス、戦隊モノ、仮面ライダー、ポケモン、マイクラ、マーベルなど本当に覚えるのが大変でしたが、今となっては大切な思い出です。

②道具の準備
 歯科医院で多く使用される注射器など大人が見ても不安になるような器具については、できるだけ子供の視界に入らないように準備しています。
 また注射器以外にもノズルの先端が細くて子供たちが誤解しそうなものについても視界に入らないように意識しています。

③使用する言葉
 小児歯科を専攻して先輩から最初に指導いただいたことの1つに【子供に対してウソをつかない】というものがあります。これは本当に大切にしています。子供たちはときには痛みによって泣くこともありますが、納得していれば耐える努力をしてくれます。
 そのため、麻酔など痛みを伴う処置をする際は「少し嫌な感じするよ、押される感じするからね」と必ず声掛けするようにしています。
 
④行動変容法
 行動変容法とは、学習理論に基づいて個人の行動を改善する技法の1つで、私はよく以下の3つを使用することが多いです。
 ・TSD(Tell-Show-Do)法:子供に対してこれから行うことについて、話して(Tell👂)、見せて(Show👀)、行う(Do🖐️)という手順で進めることです。治療内容についてわかりやすい言葉で説明し、器具を見せながらどのように使用するか伝えます。その後に実際に使用するというものです。
  文章にすると当たり前のように感じますが、その子の年齢や緊張度に合わせて内容を変えたりして対応しています。

 ・系統的脱感作:弱い刺激から始めて、段階的に強い刺激に対してなれるようにする手法です。
  よく例えで使用するのは、ヘビ🐍が苦手な人に対して、ロープを触るところから始め、慣れたらおもちゃのヘビを触れようにし、これ慣れたら本物のヘビを触るといったように手順を踏む方法です。

・カウント法:10秒を声に出しながら数えながら処置を行う方法です。数を数えることに注意が向くため、刺激が減弱して感じることや10までというゴールが見えることで協力が得られことがあります。

この3つ以外にもオペラント条件付けやシェイピング法、トークンエコノミー法、モデリング法なども意識して処置を行なっています。

 しかし、最初にもお話ししましたが、大人も嫌なことです子供たちが嫌がったり泣いたりすることは自然なこととも言えます。ですので、できなかったことを責めるのではなく、歯磨きができた、一人で診察台に座れたなどどんなに些細なことでも構いませんので、診療後はご家族の方々からも子供たちはたくさん褒めてあげてください☺️

ご拝読ありがとうございました🙇‍♂️