皆さんこんにちは。
歯科助手の小山です。
「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態になる手前の段階のことです。支援は必要としないけれど、筋力、認知機能などが以前より衰えてしまい、心身の活力が低下した状態をいいます。
フレイルのきっかけともなるささいな口の機能の衰えを「オーラルフレイル」と呼びます。症状としては、食べこぼし、軽いむせ、かたいものが噛みにくい、滑舌の悪化、口の中が渇くなどが挙げられます。
かたいものが食べにくくなると、やわらかいものばかり好んで食べるようになってしまいます。すると、噛むために必要な筋力がさらに低下し、さらに噛む力が衰えるといった悪循環に陥りやすくなってしまい、それが口腔機能の低下、ひいては心身機能の低下への第一歩となるおそれがあるのです。
このように、オーラルフレイルによって口腔機能が低下すると身体的な衰えだけではなく、精神的・社会的な側面にまで影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、歯を失うことにより噛めない食品が増えることで、食への欲求・関心が減少し、それまで楽しみだった家族や友人との外食が億劫になり、自宅でばかり食事をするようになります。
このような心身機能、社会性の低下は、さらにオーラルフレイルを進行させることにつながります。
まさに、お口の健康を保つことが心身の健康のために必要不可欠です。
ただお口の健康でいうとむし歯や歯周病は思いつくと思いますが、口腔機能はあまり耳にされたことがないかたもいらっしゃると思います。
オーラルフレイルの原因は加齢による筋力低下と、歯の喪失が原因となります。
ものを食べるには、咀嚼力そしゃくりょく(噛む力)と、嚥下力えんげりょく(飲み込む力)が必要ですが、加齢によって口まわりの筋力が低下し、歯の本数が減少すると、この2つの力が弱くなり、オーラルフレイルに陥るのです。
唇や舌、喉や口周辺の多くの筋肉の働きを衰えさせないためにトレーニングを行って、口腔機能が衰えないように維持しましょう。
まずは、口腔機能の検査を行い現状を把握していきます。
口腔機能低下症を診断するためには、以下の機能に沿った検査を行います。
- 口腔衛生状態不良
- 口腔乾燥
- 咬合力低下
- 舌口唇運動機能低下
- 低舌圧
- 咀嚼機能低下
- 嚥下機能低下
検査の結果、口腔機能低下症と診断された場合はトレーニングを行っていきます。
あてはまらなかった場合でも予防のために自分でできるトレーニングを取り入れていきましょう。
ご不明な点があれば、ドクタースタッフまでお声がけください。