意図的再植について

みなさん、こんにちは!

かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

先日、根の治療を行った患者さんから、「先生、この間、治療した歯の側の歯茎がまた腫れるようになって、食事をするときに噛むと痛いんだけど、どうにかできないかな。」と言われました。

これは5ヶ月前に右下7番目の歯の根の治療を行った患者さんで、治療途中から痛みや歯茎の腫れは軽減、消失していましたが、根の病気が再発してしまったケースです。6番目までの歯は、根の治療を行っても治らない場合、歯根端切除術といって根の先端を切って根の方からお薬を詰めるような処置を行いますが、7番目の歯は奥にあり、器具操作が難しいことから、歯を一旦抜いてお口の外で処置を行い、お口の中に戻す”意図的再植”という治療が行われます。

本日は、”意図的再植”についてお話しをいたします。

意図的再植の手順は以下の通りです。

①歯を抜く

②根の先端を3mm程カット

③根の先端に新しいお薬を詰める

④歯をお口の中に戻す

①の歯を抜くときは、歯が植わっている顎骨や歯茎にできるだけダメージを与えないようにゆっくり優しく抜く必要があります。

②③の操作は、お口の外で行うので出来るだけキレイな環境で歯が汚れないよう注意して行います。②で歯の先端をカットした際、歯の断面に破折線がないか確認を行います。もし、歯が縦に割れていた場合は残念ながら歯を戻すことができません。そのまま戻しても根の病気は治らないので抜歯になってしまいます。

また、②③の操作にあまり時間をかけ過ぎると④で歯をお口の中に戻す際に、顎骨に歯がくっつかなくなってしまうことがあるため、出来るだけ早くお口の中に戻す必要があります。

意図的再植について、歯を一度抜くと聞いて驚かれる方が多いですが、通常の根の治療で根の病気が治らなかった場合に行われる治療法です。根の病気でお困りの方は是非ご相談ください。