夏風邪について

みなさんこんにちは。かさはら歯科医院のドクター高橋(千)です。うっとおしい梅雨真っ只中ですが、体調崩されたりしていませんか?今回は夏風邪について書きたいと思います。

 

夏かぜってどんなの?それぞれの特徴は?一般的に「夏かぜ」といわれる病気は以下の3種類です。
【ヘルパンギーナ】【手足口病】【咽頭結膜熱(プール熱)】
5歳以下のお子さんが感染するケースが多く、かぜによく見られる咳や鼻水の症状はあまり目立たないのが特徴です。
夏かぜは同じヘルパンギーナでも、原因ウイルスの型が多いので何度も病気にかかる可能性があります。夏バテで体力が落ちると病気にもかかりやすくなるので、お子さんには規則正しい食事と十分な睡眠を取らせることが重要です。また、外出からの帰宅時や食事前のうがい、手洗いを、日ごろから行いましょう。
夏かぜにかかったら、通常は、1週間程度で回復しますが、ヘルパンギーナや手足口病では、まれに髄膜炎、脳炎などの重い合併症を起こすことがあります。発熱が長引いたり、頭痛や嘔吐などが続くときにはすぐに受診しましょう◎手足口病
・手のひら、足の裏、おしり口の中などに発疹
・発熱あっても37℃台
※腹部等に発疹は出ない
※口内の発疹が痛むことも
・通常は、数日のうちに自然治癒する
※発疹も1週間位で消える
・高熱、おう吐、頭痛の症状が出たら、医療機関を受診
◎ヘルパンギーナ
・突然の高熱(38℃以上)
・口の中に水ぶくれができ、のどや口内が痛む
・高熱が2~3日間続くことがある
・1週間程度で自然治癒
◎咽頭結膜熱(プール熱)
・高熱(38℃以上)
・のどが痛む
・結膜炎(充血・目やに)
・下痢、腹痛を伴うことも
・高熱が5日間ほど続くことがある
・1週間程度で症状は治まる
夏かぜは、何歳くらいの子どもがかかりやすいの?5歳以下のお子さんが感染することが多く、手足口病では約9割が5歳以下、ヘルパンギーナも未就学児が中心です。プール熱は小学校のプールの授業などで感染することが多いので、この名前が付いていますが、実はこちらも5歳以下の患者が約6割を占めるとの報告があります。
夏風邪は、大人はかからないの?まれに大人もかかります。大人が手足口病にかかると発疹の症状がきつくなり、痛みが増すことがあります。また、ヘルパンギーナと咽頭結膜熱(プール熱)も、ごくたまに大人が感染し、お子さんと同様の症状が出ます。この2つの病気は高熱が数日続くことがあります。予防接種や特効薬はあるの?今のところ予防接種も特効薬もありません。
もし夏かぜにかかったら、特効薬がないため、発熱でしんどいときや痛みが強くて我慢できないときは、解熱鎮痛剤を飲むなど、症状に対しての対症療法が中心となります。
予防は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染・接触感染を防ぐため、うがいと手洗いが有効です。夏かぜのウイルスは主にお腹(腸管)の中でふえますから、便にウイルスが大量に出て手を介して口からうつります。便を扱った後や食べ物を食べる前、外から帰った後は手洗いをする習慣を付けることが大切です。治ってから、1ヶ月近くは便中にウイルスがでていますので、この間は「オムツ」などからもうつる可能性があり、注意が必要です。お子さんの便を処理した場合は、特に念入りに手洗いをしましょう。
感染予防のポイントは?・症状がおさまった後も2~4週間、エンテロウイルス、アデノウイルスとも便に排泄されます。トイレの後、オムツ交換後など、普段からこまめに手洗いをしましょう。
(手洗いは多くの感染症に共通する重要な予防策です)
・幼稚園、保育園など集団生活では、タオルの共用を避けましょう
・お子さんが理解できる範囲で「咳エチケット」を心がけましょう(人に向けてくしゃみをしないなど)
・咽頭結膜熱においては、プールからあがった後シャワーを浴び、目を洗い、うがいをしましょう。
毎日の食事で気を付けることは?手足口病の場合は口内に発疹ができたり、ヘルパンギーナの場合は口内に水泡ができたり、プール熱の場合はのどが痛むため、食事が摂りにくくなります。食事は、柔らかく、薄味にするなど、のどに通りやすい口あたりのよい食事を工夫しましょう。
また、高熱やのどの痛みで食べられない時は、脱水に注意し、十分な水分補給を心がけることが大切です。
学校へは、熱が下がったらいってもいいの?・手足口病、ヘルパンギーナについては、発熱がなく(解熱後1日以上が経過)普段の食事ができるようになれば、登校可能でしょう。
・咽頭結膜炎(プール熱)については、出席停止となります。発熱や咽頭発赤、眼充血が消失して2日以上経過してから登園、登校が許可となります。かかりつけ医に相談し、許可書をもらいましょう。