口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は唾石症についてです。

定義:唾液腺導管内の結石症。主に顎下腺導管(ワルトン管)に唾液中の無機塩の沈着によって生じる。その形成機転の詳細は不明であるが、導管の炎症などに起因するといわれている。顎下腺以外の腺体内に生じることもある。

好発部位:口腔底(顎下ワルトン管)

好発年齢:中高年

性差:男性に多い

臨床症状:顎下部の腫脹を繰り返す。摂食時に同部の腫脹と疼痛(唾仙痛という)が増強する。炎症を伴って化膿することもある。触診(双合診)によって細長い唾石の位置が確認できる。単純X線検査、唾液腺造影が有用である。

X線像:咬合法軸位撮影にて確認する。砂糖大かエンドウ豆大くらいまでの大きさの均一ないし層状となった不透過像。唾液腺造影法では唾石部分が陰影欠損となる。導管の断絶、管系の拡張ないし管内壁の粗造化。腺系は描出されないことが多い。

組織像:横断面では、同心円状に石灰化度の異なる層板構造がみられる。最近や壊死細胞残渣と唾液構成成分からなる。唾石によって唾液の流出障害をきたした唾液腺および唾石周辺の導管は多くの場合、慢性炎症を起こしている。

治療:摘出(以上 口腔疾患プラクティス 編著山本浩嗣より)

ヒトの唾液腺には、大唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺の総称)と小唾液腺(口腔内のあちこちに存在する小さな唾液腺)がある。これらのうち、顎下腺には粘液腺が含まれている上に、唾液を口腔内に分泌管が上(頭上の方向)を向いているために、顎下腺内とそこからの唾液を分泌する管内に唾石が形成されやすい。これに対して、耳下腺や舌下腺に唾石ができることは少ない。形成される唾石の大きさは様々で、2㎜程度から40㎜を越えるものまで形成され得る。大きさにもよるものの、唾石が存在することが触るだけで判る場合もある。また、既述のように炭酸カルシウムを主成分とすることが多いために、X腺で撮影(CTで撮影)を行うと、唾石の形と位置を知ることができる。(以上Wikipediaより)

口腔内の唾液腺にも結石ができることがあります。なので定期的に全体的なパノラマ写真やCT撮影をおこなうことで、隠れている唾石やそれにまつわる症状が見つかることもあります。そんなことからも、歯科治療で主訴のみのレントゲンや処置だけおこなうことは、今後の病気の予防という観点からみて、あまり望ましいことではないのかもしれません。