むし歯の原因について

はじめまして。歯科医師の岩谷です。

2月から「かさはら歯科医院」の一員になりました。よろしくお願いいたします。

自己紹介を少しさせていただきます。生まれは仙台市で、理系大学を卒業後、サラリーマンを7年程していました。その後、一念発起し歯科大学に編入学し歯科医師となりました。

これから、みなさんのお口の中の健康を少しでも助けることができればと思っております。

さて、今回は「むし歯の原因について」お話をしたいと思います。

むし歯は細菌の感染が原因で起こる病気です。歯の表面についた汚れ(プラーク)の中には数えきれないほどの細菌が集まっています。プラーク中のむし歯菌は、砂糖などの炭水化物を分解して酸をつくります。この酸によって歯の表面のカルシウムが溶け出し、穴が開いてできるのがむし歯です。頻繁に砂糖などを取り続けていると歯の表面が柔らかくなり、最後には穴が開いてむし歯ができます。むし歯菌は常在菌といって誰のお口の中にも存在しています。むし歯菌がいるとすぐにむし歯になるというわけではありません。むし歯菌のえさとなる砂糖や炭水化物があって、時間が経過することで初めてむし歯ができます。歯の表面がフッ素で強化されていたり、唾液の酸を中和する能力が高かったりすれば、むし歯の発症を防ぐことができます。このように、むし歯はたくさんの要因が影響して発症するのです。

一般的なむし歯は多因子疾患であり、生活習慣に左右されます。歯科大学の授業でも習いますが、むし歯の発症にはカイスの輪で示される、”宿主”、”細菌”、”食事”の3つの因子に加え、”時間”、”年齢”、”社会経済環境”、”全身疾患”、”知識レベル”などの因子が関与します。”宿主”では、歯面の抵抗性と唾液による保護作用が関与します。”細菌”では、むし歯はミュータンス菌などの特定の細菌のみで引き起こされるのではなく、プラークという細菌の集合体による複合感染として考えます。”食事”、に関しては、炭水化物、特に糖質の量だけでなく、飲食回数、時間、そして食物の性情も影響します。唾液の量が少ない人や間食が多い人は虫歯になりやすいと言われています。また、たとえ同じ食事、同じ生活習慣をしていても、むし歯になりやすい人、なりにくい人がいます。

当院ではシルハというお口の状態が分かる唾液検査を行っています。お口の状態が気になる方はご相談ください。

まだ、少し肌寒い日が続きますが、くれぐれも体調にはお気をつけください。