口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は、歯性感染症についての抜粋からです。

 

歯性感染症

顎や口の感染症の大部分は細菌感染です。虫歯や歯茎の口腔常在菌を原因とする感染症が約9割を占めます。虫歯や軽い歯周病(歯槽膿漏)、親知らずが腫れるなの比較的軽い症状の時に、適切な治療をしないと、膿がたくさん出たり、口が開かない、痛くて飲み込み辛いような症状が出現することがあります。さらに、顎や口は筋肉と筋肉の間に隙間があって、隙間から膿が拡がりやすくなっています。そのため、軽い症状だったのが、急激に大きく顔を腫らせたり、気道を閉塞させるような重症化しやすい場所でもあります。また、お口の細菌が血液に乗って、高熱が出たり、口以外の臓器、例えば心臓で心内膜炎という命に関わる重篤な炎症を起こしたりすることがあります。さらに、歯周病原菌が糖尿病のい悪化、動脈硬化や早産・低出生体重児発生の誘因になるとの報告もあります。

重症化している場合は、入院して抗生剤を点滴したり、膿を外に出す手術が必要になる場合もあり、治療が長期化することがあります。

そのため、普段から痛くなったら歯医者に行くのではなく、前もって虫歯や歯周病、親知らずなどを適切に治療しておくことが重要です。

(ここまで、琉球大学病因歯科口腔外科のWEBより)

原因菌は複数の細菌によるもので、好気性菌、ならびに嫌気性菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、紡錘菌、大腸菌、肺炎菌、口腔スピロヘータ―などです。ただし、最近が生体内に生息しても、すぐに感染症が発生するわけではありません。口の中には様々な菌が常在しますが通常は無害です。感染症は侵入した最近の量や毒力が生体の防御機構を上回った場合に成立します。感染に対する抵抗力が弱まる原因として疲労、栄養失調、アルコールや麻薬中毒、白血病、糖尿病などの代謝疾患、膠原病などの基礎疾患と副腎ステロイドの使用、悪性腫瘍、HIVウイルスなどのウイルス感染、免疫抑制剤や抗がん剤の使用などがあげられます。

また、感染経路は大きく分けて2つあります。一つは虫歯になり歯の神経まで進行するとそこから歯根と呼ばれる歯の根や、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨、さらにその周囲の筋肉、組織隙、顎の骨までおよぶ経路です。もう一方は、歯と歯肉の間の歯周ポケットから細菌が侵入して、虫歯のときと同様に周囲の組織まで感染がおよぶ経路です。歯性感染症は炎症がどこまで波及しているかにより、それぞれ必要に応じた検査や治療が実施されます。

(ここまで、KOMPASのWEBより)

全身疾患があったり免疫機能が低下して抵抗力がおちている場合は歯性感染症を発症しやすいので、要注意です。気になるような症状がある場合は、かかりつけの歯科医院でチェックしてもらってみてはいかがでしょうか。