こんにちは。
歯科医師の角田です。
5月も終わりが近づき、雨の日も多くなってきました。昨今の情勢もあり、外出がはばかれる事も多いですが、皆様はいかが過ごされていますか。4月の歯の豆知識でも書かせて頂きましたが、私は今も映画にはまっています。同僚の先生やスタッフからお勧めを聞いて、それを見て…家の時間を楽しんでいます。あまり今まで映画に触れることは無かったので、とても新鮮ですね。
さて、今回の歯の豆知識では、前回に引き続いて歯科の治療内容について、診療科別に紹介させていただければと思います。今回は、数ある歯科の診療科の中でも専門色の強い分野である、口腔外科についてです。
歯科口腔外科の範囲では、一般の歯科の開業医においては、抜歯が主に行われています。
抜歯となる原因は様々ですが、虫歯や歯周病が重度であり歯が残せない場合や、親知らずが痛みや腫れなどの症状を起こす前に便宜的、予防的に抜歯することが多いです。しかし、大学病院など高次の医療機関では、歯科口腔外科の診療内容は抜歯だけに留まりません。
例えば口腔内、舌や歯肉の出来物の種類によっては、治療は口腔外科にて行われます。口腔内に出来た病気が悪いものなのか、そうではないのかの精査を行ったり、場合によっては麻酔下にて手術により切除を行うのも口腔外科です。口腔がんなど、範囲が広範囲に及ぶ場合には、医科の耳鼻咽喉科や形成外科などと連携をして治療が行われます。
また、事故などで外傷の程度が大きく、あごの骨折などがある場合も、治療は口腔外科にて行われます。必要があれば、手術にて骨折部位を固定する事も行われます。
他には、顎関節症を始めとした顎関節に関わる病気や、以前の歯の豆知識にも取り上げさせていただいた、神経障害性疼痛などの非歯原性疼痛の治療も、歯科口腔外科の範囲に含まれる事が多いです。歯科でありながら、歯のみならず様々な部位への対応が求められる診療科であると言えますね。
以上が、歯科口腔外科についての紹介でした。
歯科口腔外科が担当する範囲は広く、またその専門性の高さから、一般歯科の開業医と、大学病院といった高次の医療機関とでは、診療内容も大きく異なってくると言えます。ゆえに、特に歯科口腔外科の範囲においては、患者さんと、当院のような一次医療機関との連携、一次医療機関と、大学病院のような高次医療機関との連携を保つことの必要性を感じますね。