麻酔って。。。

みなさん、こんにちは、歯科医師の鈴木 敬です。

新型コロナウイルスが広がりを見せていますね。早く収束してほしいと願うばかりです。

一人一人の予防と対策が大切だと思います。

今回は麻酔についてお話します。

虫歯の治療より苦手という方も多いのではないでしょうか。私もしてもらうのは苦手です。

「チクッ」ていうのは嫌です。採血でもあまり直接は見ないようにしてしまいます。

ですので、私が麻酔をするときには痛みを感じないように心掛けています。

浸潤麻酔という麻酔は最初が一番痛みを感じやすいです。ここでお話をしている浸潤麻酔とは一般的にみなさんが受けている麻酔方法です。

表面に麻酔を効かせてから針を用いた麻酔を行なっています。

①針の太さ 33Gという最小の針です。

②ある程度時間をかけて行う。

上記のポイントで痛みを感じにくくしています。

①、一般的な採血が21~23Gで、0.8から0.6mmです。33Gは0.26mmです。

かなり細いですよね。

②、歯茎などに麻酔の薬が入るときにゆっくり時間をかけると、急激に圧力がかかるのを防げます。ただ、小さいお子さんは待てないことも多くて大変な時もありますが。。。

他にも注意しているポイントはありますが、少し専門的な話しになりそうなのでここでは割愛します。

麻酔をしても痛くなってしまう経験をされた事はないでしょうか。私はあります。。。

中学か、高校くらいでしたが歯が痛くなり治療をしてもらいました。その時は麻酔が効かず、自分も大変でしたが、先生にも苦労をかけた事を覚えています。その当時は効かないこともあるのか程度でしたが、自分が歯科医師になって理由を知ることができました。

痛みがあるところ、つまり炎症しているところは酸性の環境になっています。麻酔薬はアルカリ性の環境下で力を発揮します。ですので、麻酔薬を入れてもなかなかアルカリ性にはなりませんので、効きにくくなります。痛くて、なんとかしたい時ほど麻酔が効かず、痛みを我慢して治療することになるかもしれません。される方も辛いと思いますが、する方も辛いです。

そう考えれば、痛みが出る前に治療をすることがベストなんだなと思います。

あと、処置への強い不安や恐怖は、痛みに敏感にさせてしまいますし睡眠不足や周囲環境によっても同様なことが起こりうるのです。

骨の構造上の問題で効きにくいこともあります。

歯の根を覆っている骨が厚いと麻酔薬が届かないのです。特に、成人男性などに多いですかね。

様々な理由があり、麻酔が効かないこともあります。その時は、中止もやむをえないと思っています。人体を治療しますので、予想したり、準備をしたりしても結果が必ずしもでるわけではないと思います。事故が起こらない安全性を第一優先で行う必要があります。

患者さんも術者も身体的、精神的に正常な判断を失いやすくなります。お互いがまた冷静になって再度治療に向かった方が良いと考えます。

状況の判断を正確にしてしていきたいですね。