セルフケアについて

みなさん、こんにちは。歯科医師、関です。

明けましておめでとうございます。新年を迎え令和2年となりましたね。今年もどうぞよろしくお願いします。

 

さて、今回の歯の豆知識では、『歯周病のセルフケア』についてお話ししていきたいと思います。

 

歯周病にならないため、歯周病が進行しないようにするため、歯周病の治療がうまくいくようにするために、日々お家で歯を綺麗に磨くことが1番大切です。今回は、そんな大事なセルフケアについてのお話です。

 

○手動歯ブラシと電動歯ブラシはどちらがいいの?

セルフケアにおいてメインで使うのは、歯ブラシだと思いますが、近年、歯ブラシには電動のものがあります。

電動のものの方が、汚れが落ちてよいのでしょうか。

それを調べた研究があります。電動歯ブラシには駆動方式が、回転式、カウンター振動式、回転振動式、横動き、超音波など様々あります。この中で、手動歯ブラシよりも有意にプラークを除去し、歯肉炎を改善させたのは、この研究では、回転振動式のもののみでした。しかし、この違いもほんの僅かなもので、実際に使う上で手動よりも良いとは言えないようです。ただ、電動歯ブラシは当てるだけで良いため、手を器用に動かすことが難しい、高齢の方や障害がある方にとっては非常に良いものであると言えるでしょう。

→結論:どちらでも良い。ただ、器用に動かせない人は電動が効果的。

 

○歯ブラシはいつ変えたら良い?

歯ブラシはずっと使っていると、毛がボサボサに開いていきますよね。そうなると変えたほうがよいでしょうか。

どのくらいの頻度で歯ブラシを変えるのがよいでしょうか。毎月?2か月に1回?

これも調べた研究があります。3か月間同じ歯ブラシを使う場合と1か月ごとに歯ブラシを変える場合で、汚れの落ち具合は変わるのか。結果は、どちらも変わりはありませんでした。

ただ、この研究では、歯を磨くのが上手であろう歯学部学生が研究対象のため、3か月使ったボサボサの歯ブラシでも上手く磨けたのかもしれません。また、使い古したボサボサのものよりも定期的に変えて綺麗なものを使うほうが歯を磨くモチベーションにもつながり良いと思われます。

→結論:定期的に変えたほうが気分的に良い(頻度は1~3か月ごとか、自由)

 

○歯ブラシはどう磨くのが良い?

歯並びや、欠損部分の補綴(ブリッジ、入れ歯、インプラント)などお口の中の状況は、一人ひとり異なるため、その人それぞれ適した磨き方は、細かく言うと異なるため、詳しくは歯科医院にいらして聞いてもらうのが一番良いですが、共通する歯磨きの基本についてお伝えします。

まずは、歯ブラシの持ち方ですが、ペングリップと言い、鉛筆持ちが基本です。細かく器用に動かすことができます。動かし方は、細かく・優しくです。強く・大きく動かすと効率的に汚れが落ちないだけでなく、歯や歯茎を傷つけます。

また、磨く順番は、自分なりの順番やルールを決め一筆書きに一周するのが、磨き忘れがなく良いです。

磨くのが苦手な部分や、汚れがたまりやすい部分を最初に磨くと良いでしょう。

 

以上、次回もセルフケアについて続きを書こうと思います。