BRONJとは

おはようございます。
歯科医師の角田です。
年の瀬も近づき、寒い日が多くなってきましたが、皆さま体調は如何でしょうか。患者さんの話ですと、11月だというのに、みぞれが降っていた日もあったとか…。これだけ寒いと、12月、1月、2月とどれだけ寒くなるのか不安ですね。自分も喉を壊さない様に、健康管理に気を付けていければと考えています。

さて、今回の歯の豆知識のテーマは、
ビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死(BRONJ)についてです。
なかなか聞き慣れない単語ではとは思いますが、実は歯科医師として臨床にて、このリスクについても考える場面も多く、今回は自分の勉強も兼ねて、歯の豆知識としてまとめさせていただきました。

なお、今回は日本口腔外科学会も作成に関わった、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に関するポジションペーパー(http://jsbmr.umin.jp/guide/pdf/bronjpositionpaper2012.pdf)と、ビスホスホネート系薬剤と顎骨壊死(https://www.jsoms.or.jp/pdf/bone_bisphos.pdf)を参考にまとめさせて頂いています。

まず、ビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死とは何でしょうか。
それは、骨粗しょう症治療薬であるビスフォスフォネート製剤を服用している患者さんが、抜歯といった歯科治療を受けた後に、顎骨が壊死してしまう事があることを指します。

ビスフォスフォネート製剤は、骨粗しょう症に対する治療薬の第1選択であり、注射用、経口用ともに広く使われている薬剤です。ダイドロネル、アクトネル、ボナロン、ベネットなどの経口用薬剤は、骨粗しょう症を治療中の方は服用中の方も多いのではないでしょうか。

歯科医師が抜歯をする際に問診にて、患者さんに骨粗しょう症の既往はないか、お薬を飲んでいないかを確認するのは、このビスフォスフォネート関連顎骨壊死のリスクがどの程度であるか確認する為です。投薬を休止した方が望ましいのか、休薬するのであれば抜歯の前後どれくらいの日数が望ましいのか、ビスフォスフォネート製剤を投薬されている患者さんに対して歯科医師は考える事となります。勿論、歯科医師の独断で投薬を中止する事は出来ませんので、必要であれば骨粗しょう症の担当医さんに対診する事も、時には必要となります。

今回は簡単に、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死についてまとまめさせて頂きました。次の歯の豆知識では、今回の続編として、提唱されている休薬の期間や、顎骨壊死のリスクを高める因子などを中心にまとめさせて頂ければと思います。