歯周病治療のはじめ①

みなさん、こんにちは。歯科医師、関です。

11月ももうすぐ終わりを迎え、寒さも本格的になってきましたね。冬は乾燥して風邪をひきやすいので、手洗いうがいをより気を付けたいです。

 

さて、今回も歯周病治療をテーマとしてやっていきます。

今回は、前回の歯周治療の流れで出てきた、最初の治療である『歯周初期治療』についてお話ししていきます。

 

歯周初期治療は、歯周病の重症度に関わらず、すべての歯周病の患者さんに行う治療です。

その内容は、主に歯の周りの歯の汚れ取りですが、それ以外にも汚れが付きやすい形態を事前に整えたりします。歯周初期治療の段階で行う治療には以下のものがあります。

①口腔衛生指導

②歯肉縁上の歯石除去

③歯肉縁下の歯石除去

④医原性刺激源の除去

⑤天然歯形態の修正

 

①口腔衛生指導

ブラッシング(歯磨き)指導のことです。そもそも歯周病のなる患者さんは、歯磨きがうまくできていないために歯周病になっています。歯科医院で歯の周りの汚れ取りをいくらしたところで、普段の歯磨きがしっかりできていないと治療は絶対にうまくいきません!

歯周病の治療では、ご自身できちんと歯を磨けるようになることが1番大事です。

基本的に良いとされる歯ブラシによる磨き方はありますが、患者さん一人ひとりお口の中の状況は異なっており、磨きにくいリスク部位やその人の癖、手の器用さは様々なため、その人にあった指導を行います。

また、歯磨きの回数や時間、歯ブラシ以外のフロス・歯間ブラシなどの清掃用具の指導も行います。

 

②歯肉縁上の歯石除去

歯周病の治療で、歯科医院側が実際にやる治療のメインは、歯に付いた歯石の除去です。

歯石とは、歯の周りに付いた細菌の塊である歯垢(プラーク)が唾液の作用によって硬く固まったものです。歯石はそれ自体では病原性はありませんが、歯垢が沈着しやすくなり結果的に歯周病を進行させるため、除去する必要があります。

歯垢は柔らかいため、歯ブラシなどで除去できますが、歯石になってしまうと不可能です。

歯石を除去するためには、歯科医院で専門的な器具を使う必要があります。刃の付いた器具や超音波振動する器具で取ります。

 

③歯肉縁下の歯石除去

歯周病が進行すると、歯の周りの歯周組織は破壊され、深い歯周ポケットをつくります。この歯周ポケットの中の歯の表面に付いた歯石を取る治療です。②と③が分けられているのは、③の歯肉縁下の歯石除去は、歯茎の下の歯石を取るもののため、難易度が高いからです。1回でできる部位も限られ、細かく分けて治療します。

目で直接見えない位置に付いた歯石を取るため、事前に撮ったレントゲン写真で歯石の位置を確かめ、探針と呼ばれる細い器具で歯の表面を触り歯石を探します。

また、歯茎の中に器具を入れるため、麻酔を行うこともあります。

 

以上、今回は歯周初期治療の①~③までをお伝えしました。次回、また続きを書こうと思います。