テトラサイクリンによる歯の変色

みなさんこんにちは!青葉会事務局の庄子です!いつもご利用いただきありがとうございます!

歯の色

歯の色は一人一人違います。白い人もいれば黄色っぽい人もいますし、グレー系やオレンジ系の人もいます。美容室で髪を染めたことがある人は見たことがあると思いますが、髪色の見本があり美容師さんに仕上がりはどれくらいの色になるか説明をうけたりしますよね。歯医者さんにも歯の色の見本の「シェードガイド」というものがあります。これは詰め物や被せ物をする時に、患者さんの歯にできるだけ合った色の材料を選ぶために使います。

一般的には大きく4つの系統に分けられています。(A~Dの4パターン)そして明るい色から1→2→3→3.5→4の5段階に分けられています。日本人の標準的な歯の色はA3あたりと言われています。

さて、歯の色は個人差があり人それぞれで生まれつきのものです。でも何らかの原因で歯が変色してしまうことがあります。みなさんもよく知っているのは、コーヒーや赤ワインなどの色の濃いものですよね。

そして実は他にも歯が変色してしまう原因があります。それが今日説明する「テトラサイクリン」です。

テトラサイクリンとは?

テトラサイクリンとは、テトラサイクリン系抗生物質の総称です。テトラサイクリン系抗生物質は呼吸器の病気や細菌の感染症に効くお薬として知られており、以前は風邪薬のシロップとしても一般的に幅広く使用されていました。

しかし、テトラサイクリンには歯の内部に色素が沈着するなどの副作用があることが1962年に初めて報告され、現在では特に子供や妊婦さんや授乳中の方への処方は避けて控えるべきとされています。

でも、このような規制がされる前は一般的に使われていたので、現在のだいたい30~40代の方は幼少期に服用した人が多く、歯に薄い黄色(グレーや色が濃い方もいます)の縞模様がある人が多いと言われています。

歯の色が気になる方は、コーヒーやワインやタバコなどの他にもテトラサイクリンによる変色の可能性もあるかもしれません。

テトラサイクリンで変色した歯を何とかしたい・・

テトラサイクリンで色素が沈着した歯は特に前歯だと目立つの気にしている方も多いです。

黄色やグレーの薄い縞模様でしたらホワイトニングを何回か繰り返せばある程度は目立たなくなると思います(個人差はありますが・・)

しかし、濃い色で変色しているとホワイトニングではなかなか改善はできないかもしれません。その時は「ラミネートべニア」という歯の表面を削って薄い板状のセラミックで覆う方法があります。

私が以前テトラサイクリンで相談を受けた患者さんは濃いグレーの縞模様のグラデーションがはっきりとあり、とても気にされていました。歯を削ってラミネートべニアや被せ物をしたりするのは歯にダメージがあるので避けたいと希望されたので、改善はあまり見込めないですがオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの併用を行っていきました。併用することで縞模様が薄くはなってきましたが理想通りにはならなかったようで、悩んだ末、最終的にはラミネートべニアをしました。結果的にはとても満足していただき、良かったです。人によって価値観は違いますので、治療をする前によく相談することが大切です。この患者さんにとっては歯を削るリスクよりも、口元を気にして生活していく方が辛かったということです。

ホワイトニングで改善してもまた後戻りしてしまうこともあります。ですので定期的に続けないといけない・・。ラミネートべニアをすればすぐに改善できますが、一生物ではないのではずれたり壊れたりすれば付け直しや作り直しが必要になってしまいますし、歯を削る=歯の寿命が縮むのでどのようにしていくかの選択は慎重に行わないといけませんね(´・ω・)

当院ではカウンセリングを行い、患者さんに治療の選択肢が増えるように情報提供を行ったり、相談にのったりして不安を解消できるように取り組んでおります。安心して来院してくださいね(*^^*)