虫歯について

歯科医師の鈴木敬です。

今回は虫歯についてお話しします。
最近ではご存知の方も多いとは思いますが、虫歯の分類を説明していきます。
CO
歯の表面は欠けていませんが、将来的に虫歯になる恐れがある状態です。
C1
歯の表面のエナメル質に穴が空いている状態です。痛みなどはありません。
C2
エナメル質を超えて、象牙質に達している虫歯です。血管や神経の通っている歯髄には達していませんが、距離が近くなっているので、冷たい飲み物や甘いものなどが染みます。この段階になると「虫歯かな」と分かるかもしれません。
C3
エナメル質、象牙質を超えて、神経(歯髄)に達している状態です。激しい痛みが出ることが多いです。
C4
歯の頭の部分は崩壊し、神経(歯髄)は死んでいます。

上記の分類を用いて今後の治療方針が決まっていきます。程度が大きくなるに連れて時間、費用、期間も大きく、長くなっていくのが一般的です。ですので、早い段階で対処していく事、進行しないために虫歯の原因の磨き残しをなくすことが重要です。

そして、ICDASというさらに細かい分類もあります。
International Caries Detection and Assessment Systemの略です。
・視診によって
コード0
健全
コード1
エナメル質における目で見える初期変化
持続的なエアー乾燥後に限って観察されるか、あるいは小窩裂溝内に限局している。コード2
エナメル質の著名な変化
コード3
限局性のエナメル質の崩壊
コード4
象牙質への陰影がある
コード5
著名なう窩
象牙質が目で見える
コード6
拡大した著明なう蝕
象牙質が目で見える
・X線診査によって
XR1
エナメル質外側1/2以内
XR2
エナメル質内側1/2に達するがエナメル象牙境を超えない
XR3
エナメル象牙境を超えているが象牙質内で拡大していない
XR4
象牙質外側1/2までの透過像
XR5
象牙質内側1/2を超える透過像
上記の視診とX線を用いて診断を行います。前述したものより虫歯が細かく分類されています。そうすることで患者さんへの説明もしやすいですし、どのタイミングで治療すべきか、メンテナンスで経過を診ていくかなど判断がつきやすくなると思っています。ただし、全てこの診断方法だけで決めることはありません。歯茎の検査、全身状態、噛み合わせなど総合的に考えた上で行います。
虫歯は菌の感染ですし、お口の中、唾液にいます。その菌が悪さをしないようにセルフケアを心掛けて、そして、病院でのクリーニングをして頂ければと思います。