デンタルフロス

こんにちは。歯科医師の平山です。

よく歯科医院でフロスの使用を勧められると思いますが、なぜフロスを使用するといいか知っていますか?色々な種類のフロスがありますが、それぞれの特徴を知って使用されていますか?

今日はデンタルフロスについてお話しします!

デンタルフロスは、100年以上も前から使われている歯間清掃のための用具です。
ブラッシングでみがき残したプラークは、フロッシングによって効果的に取り除ける事ができます。

フロッシングの特長

1.コンタクトポイントのプラークが除去できる

歯と歯の間の接触点(コンタクトポイント)は、歯ブラシや歯間ブラシは届かないのでプラークが付着してう蝕になりやすい部位です。フロッシングにより、コンタクトポイントに付着したプラークを取り除く事ができます。

2.歯肉溝のプラークが除去できる

歯と歯肉の間にある「歯肉溝」という浅い溝にたまったプラークもブラッシングだけでは十分にプラークが取り除けません。
デンタルフロスは、自分でコントロールしながら、歯と歯ぐきの溝までフロスを入れる事が出来るので、歯肉縁下3.5mm位までのプラークが除去できると言われています。
一方、フロスの使い方に慣れるまでは、フロッシングをやりづらく感じるのでフロスの使い方を十分理解しておく事が重要です。
また、歯肉炎がある場合、フロッシングをすると最初のうちは出血する事があります。しかし、数回続けると歯ぐきが引き締まってきて、出血しなくなります。

歯と歯の間、歯肉溝の清掃用具の適用範囲

フロスの種類

糸を指に巻きつけて使う糸巻きタイプとプラスチックのホルダーに糸がピンと張られているホルダータイプとがあります。
ホルダータイプは、ホルダーで糸が固定されているので、使用は簡便ですが、歯面は曲面になっているので歯面に沿わせて糸を入れることはできません。糸巻きタイプのように自分でコントロールしながら、隅角部分(辺縁部)のプラーク(歯垢)除去はできません。
糸巻きタイプのフロスは、コンタクトポイント、歯間部、近遠心の隣接面を含む歯肉溝のプラークが除去できます。
デンタルフロスにはワックスタイプとノーワックスタイプがあり、ワックスタイプはコンタクトポイントがきつい場合でもスムーズに歯間部を通過できるので初心者に適しています。
ノーワックスタイプは、やわらかさやプラークの除去効果の高いタイプを求める方にお勧めできます。
また、歯間の着色除去用として、研磨剤のシリカがフロスに練り込まれている「ホワイトニングフロス」や歯間部のむし歯予防用にフッ素加工が施されている「フッ素配合フロス」なども発売されています。
矯正装置やブリッジ装着部位には、歯間の接触点をフロスが越えることができないので、フロススレッダーと呼ばれるプラスチック製の誘導針を使ってフロスを歯間部に通して使用します。

みなさんもフロスを歯科医院やドラックストアで購入する際にはぜひ参考にしてみて下さい!
分からないことがあれば歯科医院のスタッフに聞いてみるのもオススメです!!