歯肉に出来る病気

こんにちは。歯科医師の角田です。

本日は歯肉に出来る腫瘤状の病気、エプーリスについてお話します。

エプーリスとは、歯茎に発生したポリープ状の増殖物の事を指します。口腔内の腫瘤性病変においては発生頻度が高く、約半数を占めるとされています。また、20~30代に多く発生する傾向があります。

エプーリスの種類として、肉芽腫性エプーリス、線維性エプーリス、血管性エプーリスが挙げられます。エプーリスの原因としては、プラークや歯石、合っていない被せ物や詰め物による慢性的な口腔内への刺激が関わっていると考えられています。

血管性エプーリスの中には、妊娠性エプーリスと呼ばれるものがありますが、これは思春期の女子や妊婦に好発するものです。原因としてはホルモンが一因であるとも考えられていますが、出産後に消失する他、口腔内の衛生状態を良好に保つ事が出来れば発生を防ぐ事が出来るとされています。

治療方法としては、先に述べた妊娠性エプーリスは経過観察や口腔衛生指導が主となりますが、それ以外は外科的切除が基本となります。その際、切除域を腫瘤のみに限定するのではなく、再発を予防する為に周囲組織を含めて除去をする事もあります。歯が原因でエプーリスが発生したのであれば、歯を含めて除去する事も考えられます。しかし、それでもエプーリスは再発が起こりやすいとされています。

エプーリスは良性の腫瘤状病変ですが、増大する傾向がある事、また機械的な刺激によって腫瘤が擦れ、傷となり痛みを伴う事があります。お口の中、特に歯茎の部に腫瘤状の出来物が出来た際には、エプーリスの可能性もありますので、どうぞ一度ご相談を頂ければと思います。