歯のクリーニング !!!

歯科医師の鈴木敬です。今回はクリーニング についてお伝えできればと思います。
では皆さん、歯科医院でクリーニングを受けると思いますが、何をしているかお判りでしょうか。汚れを取る… 間違いありませんが、どんな汚れを取っているかで理解しやすいかもしれません。
1. プラーク
歯垢とも言われます。一般的に歯の表面に付着した黄白色を帯びた粘着性の細菌層です。
2. 歯石
プラークが硬くなった物です。磨き残しなどで残ったプラークが、唾液の中のミネラルと結合して、文字通り、石のように硬くなって出来ます。2日間で歯石はできると言われています。硬さがあるためそれこそ歯磨きだけでは取り除けないのです。
3. 着色
歯の表面の凸凹した部分に汚れの原因となるステインが付着する事で歯の黄ばみが発生します。歯をしっかり磨かず、ステインを放置してしまうと汚れが上に重なり、さらに着色してしまいます。ですので、その汚れをとるのもだんだん手間がかかってしまうのです。着色の原因として色の濃い食べ物、飲み物があります。例えば、カレー、コーヒー、ワイン、紅茶、お茶などです。そして、嗜好品のタバコもかなり影響します。今から辞めるというのはなかなか難しいと思うので少し減らしたり、食べたり飲んだりした後にはこまめにに磨いたり、濯いだりする事が大切かと思います。
1のプラークは歯磨きで落とせます。歯科医院に来て頂いて取り除く事も出来ますが、毎日できるものですのでセルフケア、ご自身でするのが最も効果的だと思います。食後は磨くという習慣を身につけ、歯ブラシ、補助的に歯間ブラシやフロスを使いながら磨き残しを取っていきましょう。マウスウォッシュを使っている方も多いと思いますが、CMなどでは使えば汚れもとれるイメージですが、磨き残しは歯ブラシなどで直接取り除かないといけません。ですので、歯磨きをした後に使って頂くのが効果的だと思います。
歯科医院では、染め出しをします。染め出しとは、プラークに色をつける事でどこについているかをチェックします。人それぞれ癖もありますし、歯並びや治療してある歯の形によって磨くポイントは違ってくるのです。その結果を元に衛生士がアドバイスをし、皆さんと一緒にお口の中を綺麗にしていければ良いと思います。
2の歯石は歯科医院で行うプロフェッショナルケアでなければ取り除けません。歯石は浅いものと深いものがあります。浅いものは縁上歯石、深いものは縁下歯石と言います。
最初は縁上歯石を取り除きます。一般的なのは、水を出しながら超音波の器具を使って行います。全ての歯が終われば、歯茎の状態はどう変化したか検査を行い評価を行います。その上で次のステップに移ります。縁上と縁下同時にとれないのかと思われる方もいるかもしれません。もちろん、取れる場合もありますが、歯周病で骨が溶けてしまっているとなかなか取る事が出来ないのです。それをチェックするためにも検査を何度も行うのです。
縁下歯石を取る場合はなかなか取れにくい場所についていますので時間もかかります。ですので、歯全体をブロックごとに分けて、回数をかけて専用の器具を使いながら行います。そしてまた検査をし評価をし、もう一度行うのか、期間をあけてメンテナンスに移行するのか判断します。その際、治療した詰め物が合わなくなって、そこに汚れがたまりやすい場合は治療の提案もしていきます。
3の着色はPMTCが効果的だと思います。専用のブラシや研磨剤で磨きます。頑固な着色にはステインオフという細かい粉を吹き付け綺麗にしていきます。

いかがでしたでしょうか。クリーニング と言ってもいろいろな方法がある事をお伝え出来ましたでしょうか。わからないことや不明な点がある場合はドクター、スタッフに聞いてくださいね。