意図的再植の適応症、メリット・デメリット

みなさん、こんにちは!

かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

本格的な夏を迎えましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

根管治療は、神経のお部屋の中の細菌感染を取り除く処置のことですが、非外科的な根管治療で細菌感染が十分に除去できなかった場合に、外科的歯内療法に移行することがあり、以下2つの方法があります。

①歯根端切除術

②意図的再植

①歯根端切除術は、歯茎を切開し歯根の方向に開いて根の先を切断し、根の先の膿を除去、歯が割れていないことを確認した後に根の方からセメントを入れるための形づくりおよびセメントによる封鎖を行う処置です。

②意図的再植は、歯を一度抜いて、お口の外で歯の根の先を切断し歯が割れていないことを確認し根の方から形づくりおよびセメントによる封鎖の後に歯をお口の中に戻す処置です。

②意図的再植は、一度歯を抜いてお口の外で処置を行うことから、本当に大丈夫なのかと心配になる方や、驚かれる患者さんが多いように感じます。

①歯根端切除術が適応とならないケースでは②意図的再植を行う場合があります。

本日は、②意図的再植の適応症について、またメリット·デメリットについて説明いたします。

意図的再植のメリットは、歯根端切除術と比べて侵襲が低く術式が容易であること、隣接する解剖学的構造を損傷するリスクが低いこと、クラックや歯根破折の診断がより確実に行えることが挙げられます。デメリットとしては、抜歯時に歯冠破折および歯根破折のリスクがあること、歯根吸収のリスクがあることが挙げられます。

米国歯内療法学会(AAE: American Association of Endodontics)のガイドラインでは、意図的再植は以下の要件がすべて満たされる場合に適応となると記載があります。

1)歯内療法後も治癒傾向が認められない根尖病変を有する場合

2)非外科的再治療が不可能、または予後不良である場合

3)歯根端切除術が不可能、または隣接する解剖学的構造を損傷させてしまうリスクが高い場合

4)歯冠破折および歯根破折を起こさずに抜歯が見込める場合

5)再植前の歯周組織の状態が許容範囲内である場合

 

連日の猛暑が続いておりますので、くれぐれもお身体を大切にお過ごしください。