歯周病の原因菌について

こんにちは、歯科助手の小山です。

今回は歯周病の原因菌についてお伝えしていきます。

歯周病の原因はプラークに潜む歯周病菌で、それによって引き起こされる感染症が歯周病です。「歯周病菌」というのは特定の一つの菌を指しているわけではなく、歯周病の発症・進行に関与する細菌の総称です。実際には、800種類を超える細菌が歯周病の発症・進行に関与していると言われています。なかでも、特に注意を要するのが「レッドコンプレックス」と呼ばれる細菌です。

レッドコンプレックス(Red Complex)とは、重度歯周病と強く関連する3種類の嫌気性細菌の総称です。
歯周ポケットの深部に生息し、歯ぐきや歯槽骨を破壊することで、歯周病を急速に進行させます。

細菌については、バイオフィルムピラミッドというものが存在します。

こちらは、歯周病の原因菌について、その出現するタイミングと毒性によって分類したピラミッドであり、さまざまな色で分けられています。

ピラミッドの下の方に位置する、ブルーやパープルに分類される細菌は初期に出現するため、アーリーコロナイザーと呼ばれ、それより上のオレンジ、レッドコンプレックスが該当するレッドの部分は、アーリーコロナイザーが成熟した後に出現することから、レイトコロナイザーと呼ばれています。

また、レッドコンプレックスとは、具体的には、以下の3種類の細菌のことを指し、これらが揃うと歯周病は著しく進行しやすくなります。

・P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
・T.f菌(タネレラ・フォーサイシア)
・T.d菌(トレポネーマ・デンティコーラ)

1. P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

  • 特徴: レッドコンプレックスのボス的存在(大ボス)です。空気を嫌う(偏性嫌気性菌)ため、歯周ポケットの奥深くに潜んでいます。

  • 武器: 「ジンジパイン」という非常に強力なタンパク分解酵素を分泌します。

2. T.f.菌(タネレラ・フォーサイシア)

  • 特徴: P.g.菌の相棒のような存在です。紡錘形(ラグビーボールのような形)をしており、培養が非常に難しいため、かつては「謎の菌」とされていました。

  • 武器: 細胞の表面に強固な「S層」と呼ばれるプロテアーゼ(酵素)の鎧をまとっています。

3. T.d.菌(トレポネーマ・デンティコーラ)

  • 特徴: 螺旋(らせん)状の形をした、ウネウネと非常に活発に動き回る「スピロヘータ」と呼ばれる細菌の仲間です。

  • 武器: 高い運動能力と、組織をすり抜ける貫通力を持っています。

3菌の恐ろしい「連携プレイ」

この3つの菌は、バラバラに動くのではなくお互いに栄養を分け合ったり、助け合ったりして共生しています。

この連携が完成してしまうと、歯を支える骨(歯槽骨)が急速に溶かされてしまいます。

だからこそ、この3菌が活動しやすい環境(歯石や深い歯周ポケット)を放っておかず、定期的なメインテナンスでバイオフィルムを破壊し除去することが重要なのです。