根の治療と被せ物について

みなさん、こんにちは!かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

春の訪れが待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

根っこの治療が終わった後は被せ物を入れることが多いですが、被せ物のヘリが歯の土台と合っていないと、そこから唾液が侵入し時間が経つと歯の内部で虫歯が広がってしまうことがあります。その結果、根っこの病気が再発してしまうこともあるため、歯とピッタリ合った被せ物を入れることは非常に重要です。

根の治療と被せ物の質、どちらがより重要なのでしょうか?

1995年にRay&Tropeは、根の治療を行った後に被せ物を入れた歯の成功率について、根の治療の質と被せ物の質との両面から調査を行いました。調査対象は1010本の歯、根の治療の質は、詰め物の間に隙間がなく根の尖端から2mmまで緊密に詰め物がされているものがGood endo、詰め物の間に隙間があったり、根の尖端から3mm以上手前までしか詰め物がされていなかったり、根の尖端をオーバーしているものはPoor endoとしました。一方、被せ物の質は、歯とピッタリ合っているものがGood restoration、土台の歯と被せ物が合っていない場合や虫歯があるものはPoor restorationとしました。

結果は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「根の治療の質より被せ物の質の方が重要である」という結果になりました。

 

この研究の結果を受けて、2000年にTronstadによって同じような調査が行われました。Ray&Tropeの研究の結果は、根の治療の長期的な成功には根の治療の質よりも被せ物の質の方が重要であるというものでしたが、細菌の密閉を作り出すのは根の治療(根管充填)であり、被せ物は可能な限り根の治療を保護し歯の修復を完了させるために行うものではないか、という考えのもとで追加研究が行われました。調査対象は1001本の歯です。

結果は以下の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどとは反対に、被せ物の質より根の治療の質が重要であるという結果になりました。

根の治療の質と被せ物の質、一体どちらが重要なのでしょうか?

 

2011年にBrian&Stephenによって根の治療の質と被せ物の質についてシステマティックレビューが行われました。調査対象31論文のうち、メタ分析の対象として9件の解析が行われた結果、根の治療の質と被せ物の質に対する根の治療の成功率はオッズ比1.039、有意差なしという結果になりました。つまり、根の治療の質と被せ物の質、どちらも重要であるということが示されました。

根の治療の後は、歯とピッタリ合った被せ物が必要であると言えます。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

まだまだ寒さが続きますので、お体にはお気をつけください。

 

<参考文献>

・Ray&Trope,IEJ 1995

・L,Tronstad. Endod Dent Traumatol 2000

・Brian M. Stephen W. J Endod.2011 Jul;37(7):895-902