”Revascularization”の初期研究 血管再生

みなさん、こんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

木々の歯が散りゆく季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

今日は前回の続きで、”Revascularization”の初期研究として、血管再生プロセスの確認を行った研究についてのお話をいたします。

1978年、Skoglundらは犬の根未完成歯を移植または再植し、歯髄の血管再生を観察する実験を行いました。実験には、犬の根未完成歯69本の切歯と小臼歯、比較対象のコントロールとして36本の無傷の歯が用いられました。犬の血管にバリウムを注入し微小血管造影法(マイクロアンギオグラフィ)によって歯髄の血管再生の様子を可視化することに成功しました。マイクロアンギオグラフィとは、カテーテルを用いて血管内に造影剤を注入しX線で血管の形状や異常を調べる血管造影検査の一つで、特に微細な血管を観察するのに優れていると言われています。造影剤を注入した状態で目的の部位にX線を照射することで血管の様子を画像で確認することができます。一般的には、血管の狭窄、閉塞、動脈瘤などを診断するために用いられています。実験の話に戻りますが、抜歯から移植および再植までの時間は10分以内で観察期間は1、4、10、30、180日です。

 

Fig.1のAはコントロール、Bは4日後、Cは3週間後の歯髄の様子を表しています。4日後には歯髄の先端部分で血管の再生が始まっており、3週間後には血管の再生が完了しているのが分かります。

 

Fig.2は別の再植後の結果になります。再植後4日目に歯髄の先端部に数本の細い血管が見られます。さらに歯の頭の部分まで(冠状歯髄)走る太い血管が数本見られます(Fig.2赤丸印)。これは再生された血管がつながった状態、つまり血管吻合を表しています。Skoglundらによって血管の再生が確認され、後の”Revascularization”の臨床応用に大きな影響を与えた研究だと言えます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。これから寒い日が続きますが、どうぞお身体ご自愛ください。

<参考文献>

・Skoglund A, Tronstad L, Wallenius K, A microangiographic study of vascular changes in replanted and autotransplanted teeth of young dogs: Oral Surg Oral Med Oral Pathol.1978.

・Skoglund A, Tronstad L, Pulpal changes in replanted and autotransplanted immature teeth of dogs: J Endod. 1981.