口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

今回のテーマは、歯の変色や着色の原因についてです。

失活歯

過去に歯の神経を抜く治療をしていたり、あるいは外傷などで歯の神経が壊死をおこしている場合など、歯の神経が失活している歯は、時間の経過とともに歯の変色がおこりやすくなります。

その原因としては、歯髄の中に入っていた古くなった血液成分(鉄分など)の残渣や根管治療時に使用された薬剤や、支台歯形成で使用された材料やセメントなどが影響していると言われています。

それは時間が経過するほど色が濃くなる傾向がありますので、患者さんの希望によってはホワイトニングだったり、補綴治療などをすることがあります。

薬剤の影響

歯の色素沈着がおこる代表的な薬剤といえば、むし歯の進行を予防すると言われているサホライドが挙げられます。フッ化ジアミン銀の成分が歯を黒くすると言われています。

特にお子さんでむし歯が多く、歯科診療の拒否が強く、治療が困難な患者さんに多く使用されています。

その他では、ご高齢で体力的に治療が困難な方のう蝕の進行止めの目的で使用したり、成人でも歯の根面に出来た小さいむし歯が進行しないように予防的な要素でサホライドを塗布することが多いです。

飲食物の影響

赤ワインやコーヒーやお茶類、カレーやケチャップなど調味料の色素が濃いような飲食物は、歯に色素が沈着しやすいようです。

特にホワイトニング直後の摂取は控えられると良いかと思われます。

むし歯や口腔ケアの影響

むし歯や磨き残しのプラークや歯石の付着があると審美性に影響が出ることがあります。

歯の詰め物の材料の影響

最近は殆ど使用されていませんが、過去にアマルガム治療をされている方などは、歯の中に詰めたアマルガムの周囲の歯質が黒く変色していることがあります。

その他にはメタルコアに使用された銀合金なども歯肉に黒い変色をおこすことがあります。

CR充填も時間の経過とともに黄色く変色してきたり、治療した部分の隙間から着色がおこってくることもあるので、もし色が気になってきたのなら、再度新しく詰め直しをするか、場合によっては表面の研磨だけでも審美性の回復が得られるかもしれません。

エナメル質形成不全

歯が歯胚の時に何かしらの影響でエナメル質の形成不全をおこし、歯に茶褐色の窪んだ横紋ができた形で萌出することがあります。特徴的な所見としては、歯の萌出時期が一致する反対側の歯にも同じ位置に茶褐色の同じような横紋がみられます。一見むし歯と似ているため、判別する時は反対側の歯の状態を必ず確認するようにしています。