こんにちは、小児歯科専門医の中村 友昭です。
5月29日、30日に新潟市で開催させた第63回日本小児歯科学会大会に参加してきました。
今回の学会では、口腔機能に対する様々なアプローチや押さえておきたいポイントなどについて改めて学ぶことができましたので、日々の診療に役立てていきたいと思います。
口腔機能については6月に改めて記載したいと思います。
まずは前回指しゃぶりの続きについてお話しさせていただきます。
前回の指しゃぶり①では、
子どもの発達と指しゃぶり、指しゃぶりの頻度、弊害、考え方、対応について記載させていただきました。
今回はこれらのまとめとなりますが、
指しゃぶりについては3歳頃までは、特に禁止する必要がないと考えられています。
ただし、3歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合は、指しゃぶりが習慣化している可能性が考えられ、これが続くと顎の成長発育や歯の萌出に悪影響を与える可能性が高くなります。
また、過去の調査結果から、指だこ(指しゃぶりを長期的に継続している幼児)と噛み合わせの異常の関連性が2.3歳をピークとしてその後減少し、5歳児では関連性が認められなくなっていることから、4歳以前に(できれば3歳までに)習慣的な指しゃぶりを改善すれば、指しゃぶりによる噛み合わせの異常への影響は少ない可能性が示唆されています。
2歳児以降、指だこの認められる幼児は減少し、それに伴い噛み合わせの異常を有する幼児も減少していることから、できるだけ早いうちに上顎前突の症状が現れる前に、指だこの有無に気づいた時点で指しゃぶりの中止を促していくことも必要であると思われる。
ただし、指しゃぶりを中止する事自体に固執せず、むしろ子ども生活リズムを整え、外遊びや運動をしてエネルギーを十分に発散したり、手や口を使う機会を増やすようにする事、スキンシップを図るために、寝つくまでの間に子どもの手を握ったり、絵本を読んだりし、子どもを安心させることが大切ではないでしょうか。
また、指しゃぶりとあわせて、おしゃぶりについてもよく質問いただきますでの、こちらについてもお話しさせていただきます。
おしゃぶりの使用に関しても、各専門家によって様々な意見があります。
一般的に言われているおしゃぶりの利点は、精神的安定、簡単に泣き止む、静かになる、入眠がスムーズ、母親の子育てのストレスが減るなどが挙げられます。
欠点は、習慣性になりやすく、長期間使用すると指しゃぶりと同じような噛み合わせの異常が生じる、あやしたりことば掛けをするのが減る、ふれあいが減る、発語の機会が減るなどが挙げられる。
以上のことから、おしゃぶりは出来るだけ使用しないほうがよいが、もし使用するなら咬合の異常を防ぐために次の点に留意する必要があります。
⑴発語やことばを覚える1歳過ぎになったら、常時の使用は避ける。
⑵おそくとも2歳半までに使用は中止する。
⑶おしゃぶりを使用している間も、声かけや子どもとの触れ合いを大切にする。
⑷4歳以降になってもおしゃぶりが取れない場合は、情緒的な面を考慮してかかりつけの小児科医に相談する。
以上の4点となります。
何事も便利な部分を利用しながらも、習慣化しないように上手く使う必要がありますね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
次回は口腔機能発達不全症について、記載させていただきます。