ウォーキングブリーチ②

みなさん、こんにちは!

かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

日増しに春めいた季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 

前回、神経が死んでしまった歯や神経を取る治療を行った歯の変色の原因や、ウォーキングブリーチについてお話をさせていただきました。

本日は前回の続きで、ウォーキングブリーチの方法についてお話をいたします。

治療手順は以下の通りです。

 

①術前に変色を確認

治療前に歯の変色程度を確認するため、歯面清掃を行った後で写真撮影を行います。

②X線検査

X線検査を行い、歯周組織と根管内の状態および以前行われた根管治療に問題がないかを確認します。

 

③修復物の確認

修復物に問題がないか、また修復物の色を確認します。修復物に問題がある場合は再治療を行います。

 

④術前の歯の色を確認

ウォーキングブリーチをする前に歯の色を記録します。シェードガイドと呼ばれる色一覧があるのでその英字番号を記録します。

 

⑤ラバーダム防湿

細菌感染のリスクを下げるため無菌的処置を行います。また、薬液がお口の中に流れ込まないようなメリットもあります。

 

⑥修復物および変色した象牙質、根管充填材の除去

根管治療を行ったときの修復物を全て除去しアクセス形成を行います。唇側の変色した象牙質を一層除去し、歯頚部直下までガッタパーチャを除去、ラウンドバー等で髄角を明示します。

 

⑦セメント充填(サービカルシール)、過ホウ酸ナトリウムペーストの充填

ガッタパーチャポイントの上にセメントを充填します。このとき、セメントの上部がCEJ(※)よりも上にならないようにします。

過ホウ酸ナトリウムがペースト状になるまで水と混ぜて、サービカルシールの上に充填し、その上に仮封材を設置します。漏洩による細菌感染を防ぐために仮封材の厚みは3mm以上とします。

※ CEJとはセメント質とエナメル質の境目のこと

 

⑧コンポジットレジン充填

ブリーチの効果を得るまでは数日から数週間かかることが多いです。また、何度か処置を繰り返すことにより効果を得ることができる場合があルので、2から6週間後に再度、同様の方法でウォーキングブリーチの処置を行い、希望通りの漂白結果が得られたのちにコンポジットレジン充填を行います。

 

以上がウォーキングブリーチの手順となります。

根の治療を行った歯で変色にお困りの方は是非ご相談ください。