歯の寿命を短くする要因【part2】

あけましておめでとうございます😃

歯科医師の福本です。

2025年が始まりましたね😊
お正月は、どう過ごされましたか?
私は、実家の栃木で新年を迎えました。両親と兄妹家族と、楽しい時間を過ごすことができました。今年は寝正月を過ごしてしまい筋力が低下したためか初出勤日に腰を痛め、運動の大切さを実感させられました🥲。今年は、コツコツ筋トレ頑張ります!

 さて、今回は先月からの続きのお話です。ご自分の歯を一生抜かずに使うために、歯が抜ける原因を知り予防法を考えてみましょう。
歯が抜ける原因は、
1️⃣むし歯
2️⃣歯の根の病気
3️⃣歯周病
4️⃣破折
5️⃣外傷
6️⃣酸蝕症
などです。先月は、1️⃣2️⃣についてお話ししたので、今回は3️⃣歯周病についてです!

3️⃣歯周病
 実は、歯が抜ける1番の原因は歯周病なのです😣。その歯周病には日本人の成人の半分が罹患しています。
 歯周病は、早期であれば止めることができます!しかし重度にならないと症状が現れないので、症状が出た時だけ歯科医院に行くという方は、歯周病て歯を失う可能性が高いです😢

 早期の歯周病に早く気付くために、まずは歯周病の進行について、簡単にお話しします。
歯周病の進行は、次のように分類されます。
①歯肉炎
②初期歯周病
③中等度歯周病
④重度歯周病

①歯肉炎
症状:
歯みがきで歯ぐきから血が出る。歯ぐきの色は少し赤みがかっており、歯と歯の間の歯ぐきは少し腫れた感じ。
原因:
歯と歯ぐきの間の歯垢(細菌の塊)
歯ぐきが細菌の影響で炎症を起こしているだけで、歯槽骨(歯を支える骨)は溶けていない。
治療:
徹底した自宅での歯みがき。
歯科医院でのクリーニング。

 この歯肉炎の段階で治療を始めれば、歯ぐきは元に戻ります。少しでも、歯みがきで出血🩸したと感じたら、すぐに歯科医院で治療と定期管理を行いましょう。

②初期歯周病


症状:
歯みがきで血が出る。時々、歯ぐきが浮く感じがする人もいるが少ない。
原因:
歯と歯ぐきの間の歯垢(細菌の塊)が溜まり続け歯石に変化。歯石表面はザラザラしているのでさらに歯垢が溜まり、炎症が歯ぐきの奥の方にまで波及し、歯槽骨を溶かし始める。
治療:
徹底した自宅での歯みがき。
歯科医院での歯石除去とクリーニング。

 この段階で治療すると、溶けた骨は戻りにくいですが歯ぐきは炎症が治り引き締まるので、歯が少し長くなったように感じます。この状態を維持するためには、定期健診が必須です。

③中等度歯周病


症状:
歯みがきで血が出る。歯ぐきが時々浮く感じがする人もいる。悪化するタイミングで痛みが出たり歯ぐきが腫れることがある。自分では気付かないが、歯が少し揺れ始める。自分では気付かないが、口臭が始まる。
原因:
初期歯周病を放っておくと、さらに炎症が歯ぐきの奥の方にまで波及し、さらに歯槽骨が溶けるために、歯をしっかりと支えきれなくなる。
治療:
徹底した自宅での歯みがき。
歯科医院での歯石除去とクリーニング。歯科医院によっては歯周外科を行う場合もある。

 この段階で治療すると、歯石が除去され歯ぐきの炎症が治れば、歯ぐきは引き締まります。しかし、歯槽骨の溶けた量が増えるため、歯は長くなったように見えます。歯周ポケットが深いため、歯石を完全に除去することは難しいことが多いですが、定期健診を継続することで、悪化することを予防します。

④重度歯周病


症状:
歯みがきで血が出る。歯ぐきが赤黒くブヨブヨしている。歯が揺れているのが自分でもはっきりとわかる。悪化のタイミングで痛みが出ることが多い。自分ではわからないが、口臭が強い。
原因:
歯と歯ぐきの間の歯垢(細菌の塊)が溜まり続け歯石に変化。歯石表面はザラザラしているのでさらに歯垢が溜まり、炎症が歯ぐきの奥の方にまで波及し、歯槽骨を溶かし始める。
治療:
徹底した自宅での歯みがき。
歯科医院での歯石除去とクリーニング。歯周外科を、行う歯科医院もある。歯を支える骨が少ないので、予後は悪い。抜歯になることが多い。

 この段階では、抜歯になることもある。抜歯をしない場合は、家での徹底した歯みがきと歯科医院でのクリーニング(歯石除去を含む)を継続し、悪化を予防します。

以上のように、歯周病を予防したい場合は、痛みが出てからでは遅いのです。【歯を失いたくない】と少しでも思う場合は、定期健診が必須です!!!
歯周病が進みやすい30-50代は、仕事に忙しく歯はおろそかになりがちです😔仕事も大事ですが、時間を見つけて、歯の定期健診も大事にしていただけると嬉しいです☺️