口と歯の気になる症状

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は、前回の続きで義歯の取り外しと、義歯の取り扱いについての内容になります。

①義歯の取り外しについて

義歯を入れるときにぱっと口の中に入れたらぐっと嚙んで装着してしまう方は、結構多いかもしれません。実はそれ、部分入れ歯であれば義歯のバネ(クラスプ)が歪む原因になりやすいと言われているんです。総入れ歯であれば問題ないのですが、部分入れ歯だと取り外しの時に強い力がかかってしまうと、バネが歪みやすくなるようです。なので入れ歯のバネが緩みやすい方は、なるべく装着時にバネに負担がかからないように手でパチンと装着するようにされたほうが良いと思われます。そのように装着されていてもどうしてもバネが緩みやすい方は、通常時の咬合力の影響があると思われます。そのような時は、バネ周りをレジンで盛ってきつくする調整方法もありますので、そうなった場合はかかりつけの歯科医師に相談していただくと良いと思います。そして取り外す時は、バネを爪などで下から支えながら優しく上に引き上げると良いかと思います。その方法だと、バネの支えになっている歯に負担が少なくなるからです。

②義歯の取り扱いについて

まずは就寝前に義歯を外して水流下で義歯ブラシでしっかり義歯の汚れをとります。ここでしっかり汚れが取れていないと、義歯に歯石が付着してしまい、口臭のもととなったり、歯周病の進行や、誤嚥性肺炎の原因になったり、口腔衛生上の問題と、それに伴う全身症状の問題が発生してしまう可能性があるので、汚れはちゃんと落としてから、清潔に洗った義歯ケースに入れて就寝中に保管するようにお願いします。そして、くれぐれも義歯を着けたまま、就寝しないようにお願いします。理由は上記で述べましたが、口腔内の細菌が繁殖しやすい睡眠中に義歯を装着していることで、口腔内衛生環境が悪化し、全身への影響が出るリスクがより高くなってしまうからです。これだけはよほどのことがない限りは守っていただければと思います。

義歯洗浄剤の使用方法ですが、水の中に入れて発砲させるタイプの浄剤であれば、部分入れ歯専用の洗浄剤と、総入れ歯専用のものがありますが、実は保険外の義歯専用の洗浄剤もあり、使用する義歯によっては誤ったものを自身で購入されている方も多いかもしれません。それを不安に感じるような場合は、かかりつけの歯科医師に洗浄剤はどのタイプを使用すれば良いか相談をされるとよいのではないでしょうか。