こんにちは!歯科医師の山岸です!🦷
今回は漂白法(ブリーチング)の種類について説明していきます。
漂白法には無髄変色歯(神経の治療をした歯)および有髄変色歯(神経が正常に生き
ている歯)のそれぞれに適用されるものがあります。
○無髄変色歯の漂白法(ノンバイタルブリーチ non-vital bleach)
歯の神経が壊死しているが、適切に根っこの治療がなされた変色歯に対する漂白
法です。
歯の内部から漂白が行われます。
ウォーキングブリーチ法というものがあります。
○ウォーキングブリーチ法 (walking bleach)
ウォーキングブリーチ法は、根管充填(根っこの中に最終的なお薬を入れる処
置)がなされた歯の内部に30~35%の過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムを混合
したペーストを封入する方法です。
ウォーキングブリーチ法では内部から象牙細管を介して漂白剤が作用するた
め、効果が高いです。
しかし、歯の内部が大きく形作られている場合などは、漂白作用によって歯質が
脆くなり、歯が歯頸部付近で破折することがあります。
また、漂白剤が象牙細管を通して漏洩し、歯根のセメント質に作用して、歯根の
外部吸収を引き起こすことがあります。
さらに内部での内圧が高まり、口腔に漂白剤が漏出する危険性もあります。
漂白剤が口腔粘膜に付着してしまうとケガの恐れがあります。
○有髄変色歯(生活歯)の漂白法 (バイタルブリーチ vital bleach)
この漂白法は、Feinmanの分類で1~2度の中等度のテトラサイクリンによる変色歯
や加齢などによる黄ばみなどが適応となります。
オフィスブリーチング、ホームブリーチングがあります。
○オフィスブリーチング (office bleaching)
高濃度(35%)過酸化水素を主剤とする漂白剤を使用します。
二酸化チタンなどの触媒を含む比較的低濃度の過酸化水素、過酸化尿素を主剤と
する漂白剤を使用する場合もあります。
漂白剤による術中の歯肉や粘膜への刺激を防ぐため、術前に歯肉、頬粘膜、口唇
を保護ペーストやラバーダムで保護します。
また、漂白効果を確実にするため、歯面を十分に清掃することが重要です。
より低濃度の過酸化物を主剤とし、これらの効果を高くするために酸化チタンを
触媒として 加え、光照射により過酸化物の分解を開始、促進するものもありま
す。
○ホームブリーチング (home bleaching)
患者さん個々の歯列に適合するトレーを製作し、このトレー内にジェル状の漂白
剤 (10%過酸化尿素ジェル) を入れ、患者さんが診療室に来院していないときも漂
白治療を行うことができます。
以上、漂白法(ブリーチング、ホワイトニング)の方法についてでした。