はじめまして!
9月から勤務しています歯科医師の中村 友昭です。
初めての投稿なので、少し経歴を紹介させていただきます。
出身は北海道の厚岸町という牡蠣の美味しい町です。父親が小児歯科専門医だったため中学生の時には歯科医師を目指すようになりました。その後、北海道医療大学歯学部へ進学し、卒業後は研修医を経て東北大学病院小児歯科で約9年子どもの歯科治療を専門に診療し、その経験を元に2023年10月に父と同じく小児歯科専門医の資格を取得しました。
この小児歯科専門医という資格は、厚生労働省の認可を受けた資格で、専門機関での5年以上の臨床経験と学会発表、小児歯科に関する筆記試験と症例の諮問審査に合格しないと取得できない結構取得の困難な厳しい資格で、全国に10万人以上いる歯科医師の中でも約1%しか合格していません!
実際、ほとんどの歯科医院が一般歯科と小児歯科を標榜していますが、仙台市内でこの資格を持っている開業医は7件しかありません。少ないですよね。
ご興味のある方は、小児歯科学会のホームページに専門医がいる施設が掲載されていますのでぜひ一度検索してみてください。
公社)日本小児歯科学会より転載
さて、話を戻しましょう。
大学病院勤務時代より、この専門性をより患者さんと身近に寄り添った形で地域に還元していきたいと考えていました。そんな時に出身大学の先輩でもある笠原院長と出会いご縁あって、かさはら歯科へ勤務することとなりました。
経歴がダラダラと長くなってしまいましたね。
さて気を取り直して、ここから本題です。
今回は『乳歯のむし歯と定期検診』というテーマで話させていただきたいと思います。
まず子どもの歯(乳歯)と大人の歯(永久歯)の違いについて簡単に比較すると、
永久歯と比較して乳歯は、
①エナメル質(硬い層)が薄い
②石灰化度(硬い成分)が低い
③歯髄腔(神経)が大きい
④痛みなどの症状が分かりにくい
といった特徴があります。
つまり、乳歯はむし歯になりやすく、進行も速くて、神経に近くなっても痛みがでにくいんです。
この痛みがでにくいという特徴があるため、ある日突然大きなむし歯をみつけてびっくりされる方も多いです。
でも、所詮こどもの歯でしょ?はえかわるんだから、痛くないならそのまま放置でいいんじゃない?と思われた方も多いと思います。
では、この乳歯のむし歯を放置するとどうなるかというと…
神経の中に細菌が感染していき、さらに進行が進むと乳歯の下でスタンバイしている永久歯に悪影響がでます。
具体的には、形成不全という永久歯の質が弱くなったり、形が凸凹したり、色が茶色になったりする症状がみられるだけでなく、萌出方向異常という変なところから永久歯がはえてきたりすることもあります。
ですので、乳歯のむし歯は永久歯に影響が出る前に治療する必要があると私は考えています。
ところで、大人もむし歯の治療って嫌ですよね。
子どもたちはその何倍も不安を抱えています。
ある日、お母さんからむし歯があるから歯医者へ行くと伝えられ、初めてくる歯医者で口を開けることすら怖いです。それは当然のことです。
むし歯ができてから歯科受診すると…
初めての歯医者、怖い→むし歯の治療、うるさくて痛い→何回も通院が必要で嫌なことされる。行きたくない→歯磨きなんかしたくない→新しいむし歯ができる。
こんな悪循環に陥ってしまいがちです。
なので、私のおすすめはむし歯がない状態からの歯科受診です。
むし歯がない状態から歯科受診すると…
初めての歯医者、怖い→むし歯予防、意外とすぐ終わった→嫌だけど行ってもいいかな。
となり、定期検診を繰り返していく中で、むし歯を発見してもより小さい段階で治療を開始でき通院回数も少なく好循環になります。
そのため、少しでも早い段階から医院の雰囲気や環境に慣れておくことが大切です。
歯が生えていれば生後数か月でも受診していただいてかまいません。
でも、お仕事や習い事の合間を縫って、むし歯もないのにクリーニングのためだけに数か月に一度の通院って本当に大変だと思います。
なので、かさはら歯科では定期検診といっても、単にクリーニングとむし歯のチェックだけでなく、シーラントなどの予防処置や歯磨き指導、歯並びの確認、口腔機能検査、習癖指導などを患者さん毎に必要に応じて行なっております。
子どもの口の中のことで気になることや困り事などがありましたら、気軽にスタッフや歯科医師に相談してください。
最後になりますが、皆さん予防接種を受けたり風邪をひいた時に受診するかかりつけの小児科さんをお持ちだと思います。
風邪は体調が改善すれば自然と治ります。
しかし、むし歯は一度ある進行してしまうと自然に治ることはありません。現状維持か進行するかです。
ですので、症状が出てから受診するのではなく、症状がない時から大変だと思いますがどこかかかりつけの歯科を持って定期検診を受けることをおすすめします。
長文となってしまい申し訳ございません。
最後までご拝読いただきありがとうございました!
来月は『乳歯のむし歯予防』について記載予定です。
ご興味ありましたが、確認いただけますと幸いです。