歯髄の検査②

みなさん、こんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

入梅とはいうものの、天気の良い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

本日は前回の続きで歯髄検査についてお話しいたします。

 

歯髄検査は、歯髄の生死や炎症の程度について調べる検査で、その結果から歯髄を残すことができるかどうかを判断する指標の一つとなります。

本来、歯髄が正常かどうかを判断するためには、血流があるかどうかをみるべきですが、それをするための装置は大型で高価であり、簡単に入手できないことから、冷刺激や温刺激、電気刺激による神経線維の反応を血流の代替として利用し判断します。

以下の検査方法が挙げられます。

①冷試験

②温熱試験

③電気歯髄診

 

それぞれの検査についてみていきましょう。

①冷試験

1)冷却スプレーから付属のスポンジを約3cm離した距離で噴霧し急冷させる。

2)検査対象の歯と反対側の健康な歯の唇側の先の方に急冷したスポンジを当てて反応を見ます。

3)検査対象の歯の唇側の先の方にスポンジを当てて反応をみます。

ポイントは、スポンジから液体が滴るまで噴霧させるようにすることで約-30度に冷却します。

また、冷却スポンジを歯に当てた後に、じわーんと冷たい余韻がある場合はその秒数も記録します。刺激除去後の持続時間の測定も歯髄の状態を把握するのに重要なポイントとなります。この検査は、前回お話ししたように感度と陰性的中率が高いため正常な反応がある場合は、正常な歯髄である可能性が高いと判断できます。また、刺激除去後の持続痛がある場合は歯髄に炎症が起こっている可能性があります。歯髄の表層にあるAδ線維の反応を見る検査になります。

 

②温熱試験

1)熱した器具を検査対象の歯の唇側の根元に当てて反応をみます。

※検査対象の歯と反対側の健康な歯から検査を行います

先ほどの冷試験と同様、刺激除去後の測定も重要なポイントとなるため余韻がある場合は持続時間を記録します。歯髄の温度上昇が20度を超えると壊死するという報告もあり過度な温度上昇は避ける必要があります。

感度と特異度が低いため正常な歯髄も反応を示さないことがあります。歯髄の深いところにあるC線維の反応を見る検査であり、熱刺激により痛みを生じる場合は強い炎症や部分的な壊死が疑われます。

 

③電気歯髄診

1)歯の表面をよく乾燥させます。

2)ペースト(歯磨剤)を歯の表面に塗布し、歯の唇側の先に垂直に電極を当てて反応を見ます。

※検査対象の歯と反対側の健康な歯から検査を行います

ポイントは、歯肉や歯根膜に電流が流れないように、よく歯の表面を乾燥させることです。隣の歯が金属の被せ物の際は、隣の歯に電流が流れてしまい正確な検査ができないためセルロイドストリップスという透明な器具を歯と歯の間に入れて通電を防ぐ必要があります。部分的に壊死している歯髄は水分を含むため電流が流れ反応がある場合があります。

この検査は特異度が高く感度が低いため反応がない場合は高い確率で歯髄壊死と判断することができます。

根っこが成長途中である歯や矯正治療中の歯、外傷歯の場合、正常な歯髄であるのにも関わらず反応がないことがあるため注意が必要です。

 

以上、①から③の各検査結果を踏まえて歯髄の状態を判断します。判断できない場合は少し時間を置いてから再度検査を行うことがあります(待機的診断)。

 

歯髄検査のお話は以上になります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。