妊娠中のお口の中

こんにちは😃
歯科医師の福本です。

 今年は6月というのに最高気温30度にもなり、体が気候に追いつかない方も多いかと思います。
  先日、岩沼の金蛇水神社⛩️に行ってきました。藤棚に風鈴がたくさん吊るしてあり、風鈴の音がとても心地よく、気温が高い中でも涼を感じることができました。皆さんも、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 さて、今回は【妊娠中のお口の中👄】についてお話しします。
 妊娠中はホルモンや生活リズムが変化するため、お口の中にも変化が出てきます。
1️⃣むし歯が増える🦷
2️⃣歯ぐきが腫れやすくなる(妊娠性歯肉炎)
3️⃣口の中がネバネバして、口臭が気になる👅
4️⃣歯ぐきにできものができる(妊娠性エプーリス)
などです。

1️⃣むし歯が増える🦷
 妊娠中にむし歯が増える原因はいくつかあります。
⚫︎嘔吐反射が強くなる
 嘔吐反射が強くなることで、歯ブラシ🪥で丁寧にみがくことが難しくなります。こんな時は、1日の中で比較的気分がいい時😊を見つけて丁寧にみがいたり、ヘッド(歯ブラシの毛が植っている部分)が薄く小さい歯ブラシを使うことで対処しましょう。
⚫︎食習慣が変わる
 妊娠中は、つわりで頻回に食べ物を食べたり、すっきりとした炭酸ジュース🥤を飲んだりと、口の中に甘いあるいは酸っぱい食べ物が入る回数が増えることがあります。食べ物や甘い・酸っぱい飲み物を摂取すると口の中は酸性に傾き、歯が溶けます。この摂取が頻回にあると常に歯が溶けている状態なので、むし歯になりやすくなります。
 この場合の対処法は、つわりが治ったら1日3食➕間食1回に決めることです。また、飲み物も妊娠中は基本的に水かお茶にしましょう。つわり中もできる限り回数を少なく、むし歯になりにくい物を摂取するように心がけましょう。
⚫︎吐き悪阻の人は、常に口の中ご酸性に傾いているので、歯が溶けてむし歯になりやすくなります。嘔吐した後は、すぐにうがいをしたり、キシリトールガムを噛んだりして、少しでも早く酸性を中性に戻すようにしましょう?(うがいだけですぐに中性に戻すのは難しい😓ですが何もしないよりはしたほうが好ましいです)

2️⃣歯ぐきが腫れやすくなる(妊娠性歯肉炎)
 妊娠するとホルモンの関係で歯ぐきが腫れやすくなったり、歯周病菌が増えやすくなったりして、歯周病のリスクが高くなります。家での歯みがきをより丁寧にすることはもちろん、歯科医院での定期管理でのクリーニングも大切です。

3️⃣口の中がネバネバして、口臭が気になる
 妊娠すると、唾液が少なくなったり、ネットリしたりすることがあります。唾液が減ると、口の中の自浄作用(唾液で口が洗われること)が低下します。すると汚れが溜まりやすくなり、口臭やむし歯・歯周病が増えてきます。丁寧な歯みがき、口や舌を動かして唾液をなるべく出すようにするなどしましょう。


4️⃣歯ぐきにできものができる(妊娠性エプーリス)
 主にホルモンの影響で歯ぐきにできる良性の腫瘍です。ほとんどが出産後自然に治るため治療の必要はありませんが、歯みがきがしにくく汚れがたまりやすいため、歯周炎を引き起こしやすくなります。そのため、歯ブラシやフロス・糸ようじなどを使用して、汚れを残さないようにしましょう。

 妊娠中はお口のトラブルが増えてきます。歯科医院での定期管理・クリーニングを継続して、快適なお口の中を保ちましょう。