根未完成歯の治療について①

みなさん、こんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

先日、小学校高学年の女の子が、歯が痛いと言って来院されました。お口の中をみると右下5番目の歯から出血がありました。レントゲン撮影など詳しい検査の結果、中心結節という歯の上の面の突起が折れて、歯の中の神経のお部屋が少し見えて出血していることが分りました。また、レントゲン写真から、この歯はまだ根っこが作られている途中で根っこの先が開いている状態の歯でした。このように根っこが成長している途中の歯を根未完成歯と言います。

実は、この根未完成歯は治療をするのが非常に難しく、根の先だけでなく神経のお部屋の内側の象牙質と呼ばれる歯の成長も行われている途中の歯なのです。従って、根っこの成長が終わった歯と比べてこの歯は薄く、歯が割れるリスクが高いのです。根の成長を止めずに治療することができれば理想的であると言われています。

本日は、根未完成歯の治療についてお話しをさせていただきます。

根未完成歯の特徴は以下の通りです。

・成長途中の永久歯(生え変わる大人の歯)にみられるもので、根っこの先はラッパ状に広がっている

・根っこの先の歯は非常に薄く脆い

・根っこの先には歯をつくる作用をもつ細胞がたくさんある

これらの特徴から、根未完成歯は治療が難しいと言われています。治療が難しい理由は以下の通りです。

1)神経が正常に反応するか(生きているか)診断するのが難しい

2)根っこの治療をする際に根っこの長さを測定するのが難しい

3)根っこの治療の際に、神経のお部屋の中をきれいに掃除をするのが難しい

4)根っこの治療でお薬を緊密に根っこの先に詰めるのが難しい(お薬が神経のお部屋から先に飛び出したり、短くなっったりしやすい)

簡単にまとめると、根未完成歯は、根っこが成長途中のため歯が薄く脆いので治療が難しいということです。では、どうやって治療をするかというと、先ほど少し触れましたが根っこが成長が途中なので何とか最後まで根っこが成長してくれると良いのですが、治療方法によっては根っこの成長が途中で止まってしまったり、一部分だけが成長してその他の部分が成長しなかったりといった現象が起こることがあります。

本日はここまでで次回から治療方法について、少し詳しく説明いたします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

まだまだ寒い日が続きます。どうかお体にはお気をつけてください。