こんにちは!歯科医師の山岸です!
今回は歯石に関してお話ししていこうと思います!🦷
歯石とは?
プラーク(歯垢)が石灰化して硬くなったものです。
不十分な歯磨きのため、プラークが長期間、歯の表面についているとき、唾液に
含まれるカルシウムやリン酸といった無機質がプラークに沈着して(石灰化)、
石のように硬くなったものが歯石です。
プラークは、およそ2週間で歯石となります。
歯石にはできる部位によって大きく2つに分けることができます。
○ 歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)
歯肉より上の歯の表面についているものを歯肉縁上歯石といいます。
色調は白色、灰白色、淡黄色で、硬さは比較的柔らかく、もろいです。
ただ、もろいとはいっても歯ブラシで除去はしにくいです。
歯石形成の過程上、構造は層状になっており、唾液腺開口部付近の歯頚部に好
発しやすいです。
特に下の前歯の裏側(下顎前歯部舌側)ですね。
思い当たる事がある方も多いと思います。
成分は歯垢(プラーク)由来の細菌体と食べかす等の有機成分が石灰化したも
のです。
石灰化に関わるカルシウム等の無機質は唾液に含まれる成分に由来していま
す。
○ 歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)
歯周病が進行して歯と歯肉の溝が深くなったところにできるものを歯肉縁下歯
石といいます。
色調は黒褐色、暗褐色で、かなり硬く取り除きにくいです。
歯肉に覆われており、歯ブラシも届きにくく、舌でも触知しにくいため、ご自
身では気付かないことが多いです。もちろん歯ブラシでの除去はとてもしにく
いです。
歯石形成の過程上、構造は均一無構造で、歯肉の中が好発部位です。
黒っぽい歯石で歯肉に覆われていることから、歯に接している歯肉に黒いポチ
が透けて見えたりすることもあります。
成分は歯と歯肉の間(歯肉溝)から出てくる浸出液に由来しており、それらが
石灰化したものです。
歯石は、成分の約80%はリン酸カルシウムですが、そのほかにタンパク質、炭水
化物や細菌の死骸などからもできています。
歯石そのものは、う蝕(むし歯)を引き起こしませんが、歯石の表面がざらざら
しているので、そこに細菌が増殖し歯周病を引き起こします。
歯石の除去には、そのもととなるプラークをつかなくするための毎日のブラッシ
ングが肝心ですが、少しでも取り残すとそこから増えますので、日々正しい歯磨
きでプラークを完全にとることとが必要です。
お口の中から、100%完全にプラークをなくすことは困難で、数か月程度でたいて
いの方には歯石が沈着してきますので、歯医者で定期的に歯石除去(スケーリン
グ)することも効果的です。
以上歯石についてでした。
定期的に歯科医院へ通うことが歯周病予防、う蝕予防の一助となるので、歯科医
師である自分も面倒がらずに通っていきたいですね。