むし歯の原因って?

こんにちは!保育士・歯科助手の本多です。

冬も折り返しを迎えましたが、引き続き新型コロナウイルス、インフルエンザなどの感染症に注意をしなければいけない季節です。安心して通っていただけるよう、しっかりと感染症対策に取り組んでまいりたいと思います。

今回はむし歯ができる原因や予防法についてです。少しでも参考にしていただければと思います。

◎むし歯の原因

むし歯の原因には「細菌(ミュータンス菌)」「糖質」「歯の質」の3つの要素があります。この3つの要素が重なった時、時間の経過とともにむし歯が発生します。

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◎むし歯になる3つの原因

1 細菌(ミュータンス菌)
ミュータンス菌は約1μm1/1000mm)の球状の菌です。歯垢(プラーク)となって歯の表面に付着し、糖質から酸を作り出します。その酸が、歯の成分であるカルシウムやリンを溶かして歯をもろく、スカスカにしてしまいます。

2 糖質
食べ物に含まれている糖質(特に砂糖)は、ミュータンス菌が酸を作る材料に使われます。間食が多い人や、キャンディーやドリンクなど甘いものをよく摂る習慣のある人は、歯の表面が酸にさらされる時間が長いため、むし歯になりやすくなります。

3 歯の質
歯が作られる時の環境の違いなどで個人差がありますが、エナメル質や象牙質の状況(=歯の質)によって、むし歯になりやすい人もいます。特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは注意が必要です。
丈夫な歯を育てるためには、歯の土台を作る良質なタンパク質、歯の再石灰化のために必要なカルシウムやリン、また、これらがうまく働くためのビタミン(ACD)などの栄養素が必要です。バランスの良い食事を心がけましょう。

むし歯の予防法

むし歯の予防法は、①むし歯菌を減らすことと、②その活動を抑えること、そして③歯を丈夫にすることです。

1)歯みがき

むし歯菌を減らすということは、プラークを取り除くことです。プラークはむし歯菌が作るネバネバの物質によって歯に付着しています。この付着力はかなり強くて、ウガイでは取り除くことができないので、歯ブラシでこすり取る必要があります。やはりむし歯予防の基本は歯みがきです。

(1)みがき方

歯みがきの主な目的は、歯肉に近い部分の歯の表面に付着したプラークの除去です。したがって歯ブラシは、歯の表面の根元に直角にあてて、歯肉にもブラシが当たるようにします。そして毛先が5ミリ程度歯の表面で動くように、横に小刻みに動かします。歯ブラシの大きさを考えると一度に2本か3本の歯をみがくことになります。このようなみがき方で奥歯から前歯、そして歯の裏まで、全ての歯の根元を丁寧にみがきます。このような歯のみがき方はスクラビング法(scrubbing : ゴシゴシみがき)といい、最も効率的にプラークを除去できるみがき方です。この方法である程度は歯と歯の間の部分のプラークも取り除くことができます。しかし、歯と歯の間のプラークを全て取り除くことはできません。

歯と歯の間の掃除には、デンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシが必要です。お口の中の状態によってどちらが適切か異なってきますから、歯科医院で一度自分に適した歯のみがき方、歯間部の掃除の仕方を教わることをお勧めします。

(2)いつみがく?

ではいつみがくのがよいでしょうか?食事に砂糖が含まれていなくても、むし歯菌の餌になる糖分は含まれています。食事をするとすぐにプラーク中の細菌が糖分を取り込んで酸をつくりますから、「食事をしたらすぐ歯をみがく」のが基本です。おやつの場合も同じです。「食べたらみがく」が大切です。

でも1日に5回も6回も歯をみがくことは、現実には無理なことです。現実的なみがき方としては、朝食後、昼食後かおやつの後、就寝前、で十分でしょう。特に寝ている間は、体の働きが低下していて唾液も出ませんから、口の中の細菌にとっては活動しやすい環境です。寝る前によく歯をみがいて細菌を減らしておくことはとても効果的です。

(3)歯みがき剤の使い方

歯みがき剤は使った方が効率よく汚れが除去されて、歯はきれいになります。通常フッ化物も含まれていて、酸に溶けにくい歯にするためにも有効です。歯みがき剤を適量をつけて、全体の歯に伸ばし、そして全ての歯をみがいていきます。みがき終わったら、歯みがき剤を吐き出しますが、ウガイは軽く1回にします。フッ化物など歯の強化や再石灰化に必要な成分を唾液中に長くとどまらせるためです。

2)食習慣

(1)よくかむ

唾液が口の中の汚れを洗い流すのに有効であることは前に述べました。唾液をたくさん出すには、食事の際によくかむことが大切です。また食べ物が口の中でかみ砕かれる際にも、歯の表面の汚れを取り除いています。いつも軟らかい食べ物をあまりかむことなく食べているようだと、プラークが歯に付着したまま、細菌が増殖を続けることになります。よくかんで食べること、できればかみごたえのあるかたいものを食べることは、むし歯予防に有効です。

(2)おやつは?

1日の中で、おやつも大切です。ただし、長時間かけてだらだら食べると、口の中はいつもむし歯菌が酸をつくり続けていることになります。時間を決めて規則正しく間食を楽しむようにしましょう。夜寝る前に夜食を食べて、歯みがきをせずに寝る、というのは絶対にやめましょう。ジュースなども糖分を含んでいますので、ジュースを飲んだからといって口の中がきれいになるわけではありません。口の中にいるむし歯菌に餌を与えてから眠りにつくようなものです。

(3)ガムやキャンデー

ガムをかむことは、唾液がたくさん出るのでむし歯予防には効果があります。ただし砂糖が入っているガムですとむし歯菌が酸をつくることになります。むし歯予防という点では、甘み成分として砂糖でなくキシリトールを使ったものがあります。また、歯の成分になるリン酸やカルシウムを含むガムも、歯の再石灰化に有効であることが確かめられています。

のど飴などは長時間なめるものですから、やはり砂糖を使ったものよりも、キシリトールを使ったものの方が良いでしょう。

参照:ライオンクリニカ、テーマパーク8020