ナイトガードについて

みなさん、こんにちは。かさはら歯科医院、歯科医師の岩谷です。

先日、患者さんから「先生、朝起きると顎がすごく疲れている感じがするんだけど、気のせいかなー。」と言われました。この患者さんのお口の中を拝見すると、下顎の内側にゴツゴツした骨の隆起が見られました。また、口を大きく開けるとピキッ、とたまに音が鳴るようです。知らず知らずの間に歯ぎしりをしている可能性や、顎の関節に問題があることが考えられるためナイトガード(スプリント)を作ることにしました。

本日は、ナイトガード(スプリント)について、お話をさせていただきます。

当院で扱っているナイトガードは、スタビライゼーション型スプリントと言われるものです。上顎に付けるタイプで、ナイトガードを装着して咬み合わせると全体の上下の歯が接触し、ギリギリと歯ぎしりをすると3番目の歯(糸切り歯)が常に接触した状態でスムーズに動かすことができるものです。カチカチ咬んだときに、全ての歯が接触することで咬み合わせが安定します。咬んだときに隙間があると、寝ている間に歯がそのスペースに向かって動いてしまい、歯並びに影響することがあります。咬んだときに全ての歯が接触していることが非常に重要です。また、3番目の歯が接触した状態で左右にスムーズに動かすことができないと、歯ぎしりをした際に顎に大きな負担がかかることや、歯がすり減ってしまうことが考えられます。したがって、ナイトガードを使えるようにするためには、お口の中で緻密な調整が必要になります。まず、ナイトガードを装着させて咬み合わせを確認します。上下の歯が接触していない場所があれば、その部分にプラスチックの材料を盛り足して、上下の全ての歯が接触するように調整をします。全ての歯を接触させたら、次に左右へ下顎を動かしたときに3番目の歯が常に接触した状態でスムーズに動かせるようにナイトガードの表面を削ったり、材料を盛り足したりして調整を行います。使っているうちに上下の歯が接触する部分が磨り減ったり、穴が空いたりすることもあるため定期的に調整が必要になります。咬み合わせを調整し、オーダーメイドで患者さん個々に合ったナイトガードをつくることができるのです。

ナイトガードを装着することによって得られるメリットは以下の通りです。

 

1)歯のすり減り防止

2)筋由来の痛みの軽減

3)顎関節位置の正常化

4)顎関節の負担軽減

 

 

冒頭で紹介した患者さんはナイトガードを装着してしばらくすると、「先生、おかげさまで朝、顎が疲れなくなった。ナイトガードがないと気持ちよく眠れないよ。すごく調子が良いよ。」と言ってくれています。

ナイトガードについて興味を持たれた方は是非、ご相談ください。