こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。
本日は知覚過敏についてです。
象牙質知覚過敏とは
生活歯において象牙質の露出をきたし、様々な刺激による知覚亢進を主症状とする硬組織疾患のことで、一般的に「知覚過敏」と呼ばれます。
象牙質知覚過敏の原因は、象牙細管の開口によって、細管内の組織液が動き神経を刺激すること(動水力学説)と言われています。
知覚過敏の薬
塩化亜鉛や硝酸銀、アンモニア銀、フッ化ジアミン銀、フッ化ナトリウム、タンニン・フッ化物、塩化ストロンチウム、パラホルムアルデヒドなど。
その他の治療法
イオン導入法、象牙質の被覆、レーザーによる神経の鈍麻や象牙質組織液の凝固、抜髄処置など。(ウイキペディアより引用)
同じ知覚過敏でも重症度によって外用薬や歯磨き粉だけで治るケースと、それだけでは治らないケースがあると思います。そして、同じ知覚過敏でも原因によっては治りにくい症例が下記の通りいくつかあります。
その1
咬合性外傷の影響が強い
歯の嚙み合わせががっちりしていると、生活習慣的な経過などにより、歯の表層のエナメル質が知らないうちに、ヒビを生じていることがあります。それをクラックといいます。ヒビが入ったことにより歯がしみやすくなり、知覚過敏が起こりやすくなります。治療としては、クラックであれば薬物塗布、そして完全に神経までヒビが入って細菌感染の疑いがあるのであれば、歯の神経を取る治療(抜髄)や、残念ながら抜歯しなくてはならないような状態になることもあります。
このヒビからの歯牙破折の予防としては、睡眠時に使用するマウスピース(ナイトガード)などが有効と言われています。
その2
歯周病の影響
歯を支えている土台の骨が歯周病で薄くなったり弱くなってくると、歯の中の神経が、口の中の温度を感知しやすくなり、それを痛みとして神経が反応するのです。人は気温が低いときに、上着を脱ぐと寒さを感じますよね。歯も同じように寒さ暑さを感じていると言ったらわかりやすいですよね。そう考えると歯周病の症状が進行するほど、歯槽骨(歯を支える周りの骨)が薄くなり、しみやすくなる症状が悪化するのも理解できます。
なので歯周病の予防は、将来的な知覚過敏の予防にも繋がると考えられるでしょう。
その3
習慣的なブラッシングの影響
ブラッシング圧が強い人は、持続的な力で歯の根元のすり減りを自らおこしてしまっている可能性があります。歯の根元のすり減りが強い方は歯の中の神経露出をしてしまうこともあるのです。
知覚過敏の症状があって歯磨きをする時に歯茎が痛む時は、もしかしたら歯ブラシの擦過傷もあるのかもしれません。
このような症状を気にされているのであれば、歯科治療時に、どこかのタイミングでブラッシングのチェックを受けてみてはいががでしょうか。