10月に気を付けたい子どもの病気

こんにちは(^-^)保育士・歯科助手の本多です!

朝晩の気温が下がり、日もすっかり短くなり、秋を感じられるようになってきましたね。寒暖差から体調も崩しやすいこの季節。今年はインフルエンザの大流行との声も聞こえてきていますので、感染症対策と体調管理をしっかり行ないたいですね!

 

さて、今回は10月に気を付けたい子どもの病気についてです。

◎RSウイルス

○速やかにかかりつけ医へ行く症状

 息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる。咳で何回も夜中に起きる。熱が下がっても症状が改善されない。咳込んで嘔吐してしまう。

生後1か月未満でも感染する可能性があり、無呼吸の原因になることがある。※悪化するときには、発熱はあまり関係ありません。

○概要

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによって発生する呼吸器感染症です。年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の小児がRSウイルスの初感染を受けるとされています。

 乳幼児期においては非常に重要な疾患であり、特に生後数週間~数か月間の時期においては母体からの移行抗体が存在するにもかかわらず、下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こします。

○症状

 潜伏期間は28日、典型的には46日とされています。発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日間続き、初感染の小児の2030%では、その後、下気道症状があらわれると言われています。感染が下気道、とくに細気管支に及んだ場合には特徴的な病型である細気管支炎となります。

 細気管支炎は、炎症性浮腫と分泌物、脱落上皮により細気管支が狭くなるに従って、呼気性喘鳴、多呼吸、陥没呼吸などがあらわれます。痰(たん)の貯留により無気肺を起こすことも珍しくありません。心肺に基礎疾患を有する小児では、しばしば遷延化・重症化します。

 発熱は、初期症状として普通に見られますが、呼吸状態の悪化により入院が必要となったときには、体温は38℃以下や平熱となっている場合が多いです。

 RSウイルス感染症は、乳幼児の肺炎の原因の約50%、細気管支炎の5090%を占めるとの報告もあります。また、低出生体重児や心肺系に基礎疾患や免疫不全が存在する場合は重症化のリスクは高く、臨床上、公衆衛生上のインパクトは大きいです。

○重篤な合併症

 重篤な合併症として注意してほしいものは、無呼吸、ADH分泌異常症候群、急性脳症等があります。

 平成24年の人口動態統計によると、日本国内のRSウイルス感染症による死亡数は、20082012年の5年間で、年平均31.4人(2836人)と報告されています。米国では年間400例ほどの小児がRSウイルス感染症により死亡していることが推察されています。

○感染経路

 飛沫感染と接触感染です。感染力が強く、また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。年長者の再感染例等では典型的な症状があらわれず、RSウイルス感染と気付かれない軽症例も多数存在することから、家族間の感染や乳幼児の集団生活施設等での流行を効果的に抑制することは困難である場合が多いです。

◎マイコプラズマ肺炎

○概要

 マイコプラズマ肺炎とは、肺炎マイコプラズマを病原体とする呼吸器感染症です。

○感染経路

 飛沫感染による経気道感染や接触感染によって伝播すると言われています。感染には濃厚接触が必要と考えられており、保育施設、幼稚園、学校などの閉鎖施設内や家庭などでの感染伝播はみられますが、短時間の曝露による感染拡大の可能性はそれほど高くはありません。

○潜伏期間

 23週間とインフルエンザやRSウイルス感染症等の他の小児を中心に大きく流行する呼吸器疾患と比べて長いです。

○初期症状

 発熱、全身倦怠、頭痛などです。

○特徴的な症状

 特徴的な症状は咳。初発症状発現後35日から始まることが多く、乾いた咳が経過に従って徐々に増強し、解熱後も長期にわたって(34週間)持続します。

○治療

 抗菌薬投与による原因療法が基本ですが、「肺炎マイコプラズマ」は細胞壁を持たないために、β-ラクタム系抗菌薬であるペニシリン系やセファロスポリン系の抗生物質には感受性はありません。

 蛋白合成阻害薬であるマクロライド系(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)が第1選択薬とされてきましたが、以前よりマクロライド系抗菌薬に耐性を有する耐性株が存在することが明らかとなっています。近年その耐性株の割合が増加しつつあるとの指摘もあります。

 最初に処方された薬を服用しても症状に改善がみられない場合は、もう一度医療機関を受診していただくことをお勧めします。

参照:感染症ナビ