口と歯の気になる症状(続編)

こんにちは。歯科医師の高橋(克)です。

本日は地図状舌についてです。

地図状舌

定義:舌粘膜の限局性かつ多発性の炎症で肉眼的には紅斑状を呈し、病巣部位は短期間に変化するので、良性移動性舌炎の名称もある。原因は不明であるが、ストレスなどがいわれている。

好発部位:舌背部

好発年齢:青少年にやや多い。

性差:青年では女性に多い。

臨床症状:舌背部粘膜の舌乳頭の萎縮、びらんによって複数の紅斑が生じる。紅斑の辺縁には白色のふちどりがある。しみたり疼痛を伴うこともある。舌以外の粘膜にも同様な症状が生じることがある。数週間で自然治癒する。

組織像:糸状乳頭の萎縮と上皮の過錯角化上皮があり、上皮内膿瘍が多発し、びらんを生じる。上皮の状態によって粘膜固有層、粘膜下層に炎症反応がある。

治療:口腔洗浄・消毒

(以上 口腔診断プラクティス編著山本浩嗣より)

地図状舌(ちずじょうぜつ)とは、舌炎に分類される舌の角化異常であり、幼児や若い女性に多いといわれています。主として舌の前方あるいは側縁に白斑が生じ、周辺に拡大します。中央は円形平滑で深紅色を呈し、辺縁はやや隆起して堤状になります。近接するものは融合して不正形の弧線を描き、あたかも地図のような様相を呈します。紋様は経時的に変化するため、良性遊走性舌炎(移動性舌炎)とも呼ばれます。移動速度は速く、一日から数日で形を変え消失して一般に再発を繰り返しますが、無害な舌の変化です。典型的な病理組織像は、1、上皮内への好中球を中心とした細胞浸潤2、微小膿瘍の形成びらん3,明らかな糸状乳頭の萎縮4,上皮の細胞内浮腫5,粘膜下の炎症性細胞浸潤といわれています。

原因不明ですが、自律神経異常、内分泌障害、遺伝との関係性が挙げられています。15才以下の患児においては上部気道疾患や消化器系障害で出現するとの報告もあります。

治療 特に治療の必要性はありませんが、疼痛や灼熱間がある場合はタバコやアルコール、刺激物を禁じます。そのほかに心身医学療法と局所麻酔を用いた薬物療法を併用することで、良好な疼痛管理を行うことができたとの報告もあります。

(以上メディカルノートより)

現在の状況だと、(国内では)外ではなかなかマスクを外す機会がないと思います。マスクをしたままでいると、他の病気の感染リスクは少なくなりますが、口腔内の酸素濃度や唾液の状況や細菌叢のバランスの変化などにより、口腔内の軟組織の炎症が起こりやすくなるのかもしれません。